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フォーエバーヤング
通算成績15戦11勝
獲得賞金49億3,699万円
生年月日 2021.02.24(令和3年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | GIドバイワールドカップ | メイダン ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | — | 映像 | ||
| 1 | GIサウジカップ | キングアブドゥル ダ1800 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:51.0 | — | 映像 | |
| 1 | GIBCクラシック | デルマー ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | 2:00.1 | — | 映像 | |
| 1 | JpnⅡ日本テレビ盃 | 船橋 ダ1800 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:52.2 | 上り38.6 | — | |
| 3 | GIドバイワールドカップ | メイダン ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | — | 映像 | ||
| 1 | GIサウジカップ | キングアブドゥル ダ1800 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:49.0 | — | 映像 | |
| 1 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | 2:04.9 | 上り36.5 | 映像 | |
| 3 | GIBCクラシック | デルマー ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | — | 映像 | ||
| 1 | JpnⅠジャパンダートクラシック | 大井 ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | 2:04.1 | 上り38.1 | 映像 | |
| 3 | GIケンタッキーダービー | チャーチルダウン ダ2000 | 2人気 | 坂井瑠星 | — | 映像 | ||
| 1 | GIIUAEダービー | メイダン ダ1900 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:57.8 | — | 映像 | |
| 1 | GIIIサウジダービー | キングアブドゥル ダ1600 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:36.1 | — | 映像 | |
| 1 | JpnⅠ全日本2歳優駿 | 川崎 ダ1600 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:43.5 | 上り40.1 | 映像 | |
| 1 | JpnⅢJBC2歳優駿 | 門別 ダ1800 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:54.3 | 上り38.2 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 京都 ダ1800 | 2人気 | 坂井瑠星 | 1:54.8 | 上り37.7 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父リアルスティールReal Steel | ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | ||
| ラヴズオンリーミーLoves Only Me | Storm Cat | |
| Monevassia | ||
| 母フォエヴァーダーリングForever Darling | Congrats | A.P. Indy |
| Praise | ||
| Darling My Darling | Deputy Minister | |
| ローミンレイチェルRoamin Rachel |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの鹿毛の牡馬。父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング。主な勝ち鞍は東京大賞典競走・サウジC・BCクラシック。
ただ一頭の馬と、ただ一人の騎手
父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング。2021年生まれの鹿毛は、ディープインパクトの血を引く父と、アメリカの血を引く母のあいだに生まれた。名はフォーエバーヤング――永遠に若く。 この馬の戦績には、ただ一人の騎手の名しか刻まれていない。坂井瑠星。新馬戦から世界の大舞台まで、鞍上は一度も替わらなかった。管理するのは矢作芳人。海を越えることを恐れない師弟が、一頭の馬とともに地球を巡る旅が、ここから始まる。 2023年秋、京都ダート1800mの新馬を勝つと、門別のJBC2歳優駿、川崎の全日本2歳優駿(JpnⅠ)を連勝。砂の2歳王者は、無敗のまま年を越えた。
砂漠を駆ける三歳
2024年、フォーエバーヤングは早くも海を渡る。2月、サウジダービー(GIII)。直線で一度は前に出られながら、坂井の叱咤に応えて差し返し、ゴール前でブッケムダノをアタマ差だけ捉えた。気持ちの強さが滲む勝利だった。 この一戦は、のちに「伝説のサウジダービー」と呼ばれることになる。1着フォーエバーヤング、2着ブッケムダノ、3着ベントルナート――この日の上位3頭が、揃ってアメリカのGI戦線でタイトルを獲るスターへと駆け上がったからだ。砂の世界の主役たちが、まだ無名のうちに中東で初めて交わった一戦だった。 3月、UAEダービー(GII)も完勝。中東の砂を二つ続けて制し、無敗のまま、競馬の本場アメリカの夢――ケンタッキーダービーへと駒を進めた。
ケンタッキーダービー、あと数センチ
2024年5月4日、チャーチルダウンズ。フォーエバーヤングは、世界中の三歳が焦がれる2分間に挑んだ。 ゴール前、内のミスティックダン、中のフォーエバーヤング、外のシエラレオーネ――三頭が完全に横並びになったところが、決勝線だった。坂井は最後の一完歩までゴール板へ腕を伸ばす。だが写真判定が示した順位は、1着ミスティックダン、2着シエラレオーネ、そして3着フォーエバーヤング。着差は、ほんの数センチだった。 しかも直線では、外のシエラレオーネから接触の不利を受けていた(相手騎手には制裁が下された)。「あの不利がなければ」――誰もがそう思う3着。無敗の記録はここで止まったが、負けてなお評価を上げる走りだった。世界は、この日本馬の名を覚えた。
日本の砂を、すべて
悔しさをぶつける先は、足元にあった。秋、大井のジャパンダートクラシック(JpnⅠ)を制覇。11月の米BCクラシックでは再び3着に屈したが、年の瀬、大井の東京大賞典(GI)を完勝する。 古馬を相手に、日本ダートの最高峰を獲った三歳。国内では、もう、敵がいなかった。
世界の頂へ――そして、ドバイ
2025年、フォーエバーヤングは世界最高賞金のレースへ照準を定める。2月、サウジカップ(GI)。世界の強豪が集う一戦を、堂々と勝ち切った。砂のグランプリの頂点に、日本馬が立った。 だが翌3月、ドバイワールドカップ(GI)は3着。中東の最後の扉だけが、どうしても開かない。「またドバイで」――その悔しさを、この馬は胸にしまった。
デルマーの歴史――日本調教馬初のBCクラシック
2025年11月1日、デルマー。フォーエバーヤングは、どの日本馬も届かなかった扉の前に立っていた。アメリカ競馬の総決算、ブリーダーズカップ・クラシック。 坂井は迷わず2番手につけ、最後の直線で先頭に立つ。追いすがるシエラレオーネ――ケンタッキーで自分を競り落とした、あの相手――を、今度は半馬身、突き放した。勝ちタイムは2分00秒19。日本で生まれ育った馬が、初めてこの頂に立った瞬間だった。 レース後、坂井は言った。「地獄の1年が今回のブリーダーズカップにつながりました」[^1]。前年の度重なる僅差負け――ケンタッキーの数センチ、デルマーの3着――その全部が、この勝利の伏線だった。「ミスター・デルマー」と呼ばれる矢作も「昨年は75%の仕上がりだったが、今年は100%だった」[^2]と、一年がかりの計画を明かした。フォーエバーヤングは、この年のJRA賞年度代表馬に選ばれる。そして年が明けると、アメリカの年度表彰エクリプス賞で最優秀古馬ダート牡馬に選出された。日本調教馬では、同じ矢作厩舎のラヴズオンリーユー以来、史上2頭目の栄誉である。海の向こうが、この馬を自分たちのチャンピオンとして認めた。
出典:GQ JAPAN 2025年11月配信、閲覧日:2026年6月25日。/テレ東スポーツ 2025年11月2日配信、閲覧日:2026年6月25日。
連覇――史上初の証明
2026年2月、フォーエバーヤングは再びサウジへ向かう。そして、サウジカップを連覇した。このレース史上初の偉業だった。ナイソスとの一騎打ちを制し、勝ちタイムは1分51秒02。優勝賞金は1000万ドル。海外GIの勝利は、これで三つになった。 坂井は穏やかに振り返った。「アメージングな馬。彼を信じていた。重圧よりは喜びがある」[^1]。かつて数センチに泣いた騎手は、世界の頂で、ただ馬を信じる人になっていた。
出典:スポーツ報知 2026年2月15日配信、閲覧日:2026年6月25日。
残された一つの扉
2026年3月、ドバイワールドカップ。サウジを勝ち、BCを獲った馬が、唯一勝てていない大レース。世界三冠の懸かる一戦で、フォーエバーヤングは逃げる米国馬マグニチュードを最後まで追い詰めながら、1馬身に満たない差で、また2着に終わった。 ドバイだけが、どうしても開かない。だがそれは、この馬がほとんどすべてを獲ってしまったことの裏返しでもある。15戦して、一度も3着を外したことがない。砂の世界をほぼ手中に収めてなお、追いかける扉がまだ一つ残っている――フォーエバーヤング。永遠に若く、旅はまだ終わらない。
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