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エリカエクスプレス
通算成績10戦2勝
獲得賞金1億3,924万円
生年月日 2022.03.08(令和4年)毛色 黒鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4 | GIIIクイーンS | 札幌 芝1800 | 2人気 | 武豊 | 1:46.3 | 上り35.2 | 映像 | |
| 4 | GIヴィクトリアM | 東京 芝1600 | 5人気 | 武豊 | 1:31.4 | 上り34.1 | 映像 | |
| 4 | GIII中山牝馬S | 中山 芝1800 | 4人気 | 武豊 | 1:47.3 | 上り35.9 | 映像 | |
| 12 | GIエリザベス女王杯 | 京都 芝2200 | 5人気 | 武豊 | 2:12.1 | 上り36.0 | 映像 | |
| 2 | GI秋華賞 | 京都 芝2000 | 5人気 | 武豊 | 1:58.4 | 上り35.4 | 映像 | |
| 11 | GIII京成杯AH | 中山 芝1600 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:31.8 | 上り34.1 | 映像 | |
| 10 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 5人気 | 戸崎圭太 | 2:26.8 | 上り35.8 | 映像 | |
| 5 | GI桜花賞 | 阪神 芝1600 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:34.2 | 上り35.6 | 映像 | |
| 1 | GIIIフェアリーS | 中山 芝1600 | 2人気 | 戸崎圭太 | 1:32.8 | 上り35.1 | 映像 | |
| 1 | 2歳新馬 | 京都 芝1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:34.7 | 上り36.0 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父エピファネイアEpiphaneia | シンボリクリスエスSymboli Kris S | Kris S. |
| Tee Kay | ||
| シーザリオCesario | スペシャルウィークSpecial Week | |
| キロフプリミエールKirov Premiere | ||
| 母エンタイスドEnticed | Galileo | Sadler's Wells |
| Urban Sea | ||
| Dialafara | Anabaa | |
| Diamilina |
旅程 — この馬の物語
2022年生まれの黒鹿毛の牝馬。父エピファネイア、母エンタイスド。主な勝ち鞍はフェアリーS。
エリカの印 ― 快速という名を背負って
馬主・三木正浩は、牝馬に「エリカ」の冠名を与える。アメリカでの自身のニックネームから取った、静かで誠実な由来だ。その冠名に添えられた「エクスプレス」という一語は、期待そのものだった。快速。調教師の杉山晴紀は後にこう言った。「エクスプレスという名前通りの脚力を見せたい」。 2022年3月8日、北海道浦河の三嶋牧場に生まれた黒鹿毛の牝馬。父はエピファネイア――菊花賞とジャパンカップを制した重厚な種牡馬で、デアリングタクトの三冠などGIを量産してきた血筋。母のエンタイスドはアイルランドで生まれたGalileo直仔で、母系の祖Dialafaraは仏オークス馬Diamilina(ダイアミリナ)の娘にあたる。同じ牝系には愛ダービー・英セントレジャー馬Capriが連なる、欧州スタミナの深い牝系だ。速さと底力、二つの血が交差するところに、一頭の黒鹿毛が生まれた。
初陣、京都の秋 ― ルメールが見たもの
2024年10月20日、京都。稍重の芝1600mで、エリカエクスプレスはデビューした。鞍上にクリストフ・ルメール、単勝1番人気。ゲートが開くと、黒鹿毛は自然とハナを奪った。道中は折り合いをつけながら、前半はひとりで流れを作る。直線でも余力があり、2馬身半差の完勝。ゴールタイム1分34秒7。 ルメールは馬を降りながらこう言った。「スタートがとても良かった。逃げたけど我慢できていた。まだ子どもっぽいところがある」。[^1] 我慢と子供っぽさ。この二つの言葉は、やがてこの馬の旅を形作るものになっていく。
出典:中日スポーツ「【京都4R新馬戦】エリカエクスプレス、1番人気に応え初陣V ルメール「スタートがとても良かった」」2024年10月21日、https://www.chunichi.co.jp/article/974487、閲覧日:2026年6月28日。
快速の証明 ― フェアリーステークス
2025年1月12日、中山。第41回フェアリーステークス、牝馬限定の芝1600m重賞。エリカエクスプレスは2番人気で出走した。今度の手綱は戸崎圭太。ゲートを出ると3番手を追走し、前半はじっくりと息を入れた。4コーナーで手応えが満ちあふれ、直線では外へ出ると一気に突き抜ける。3馬身差――勝ちタイムは1分32秒8、中山のレースレコードを塗り替えた。デビューから無傷の2連勝、重賞初制覇。 戸崎はセンスの高さを評価しながら、折り合いがつけばもっと長い距離も問題ないと手応えを語った。快速という名の証明が、冬の中山で刻まれた。
春の壁 ― 気性という題
桜花賞が待っていた。1番人気。エリカエクスプレスは牝馬クラシックの主役として、阪神の芝1600mに立った。しかしゲートが開いた瞬間、速すぎるスタートが馬を前へ前へと押し出す。ハナを切ったものの、ペースは想定よりも速くなった。直線で足が上がり、5着。戸崎は「ペースをもう少し落ち着けられれば良かった。最後苦しくなりました」と唇を噛んだ。[^1] 続くオークスでは2400mの長丁場に挑み10着。杉山調教師は「長いところの血統ですし、そこに期待したい」と語っていたが、届かなかった。[^2] 夏を経て秋の京成杯オータムハンデは1番人気ながら11着。戸崎は「勝負どころでグッとくる反応がなかった。精神的なものが影響しているのかもしれません」と言った。[^3] 気性の壁が、名前の輝きに影を落としていた。
出典:東スポ競馬「【桜花賞・1番人気なぜ負けた】エリカエクスプレス5着 逃げは〝想定内〟も…戸崎圭太が語った敗因」2025年4月13日、https://news.yahoo.co.jp/articles/a9c2b0245a4f2c48050d3eedbc30d7b945038743、閲覧日:2026年6月28日。/スポーツ報知「【オークス】桜花賞馬に続いて逃げたエリカエクスプレスは10着 戸崎圭太騎手「いいところは出せたと思います」」2025年5月25日、https://www.excite.co.jp/news/article/SportsHochi_20250525_OHT1T51194/、閲覧日:2026年6月28日。/中日スポーツ「【京成杯AH】1番人気のエリカエクスプレスは11着大敗、戸崎「勝負どころでグッとくる反応がなかった」」2025年9月6日、https://www.chunichi.co.jp/article/1128495、閲覧日:2026年6月28日。
レジェンドの手綱 ― 武豊との秋
大敗のあと、新しい手綱が来た。武豊。戸崎圭太から乗り替わり、秋の大一番・秋華賞での起用が決まった。 武豊は追い切りでエリカエクスプレスに初めて乗り、「思ったより乗りやすかった。もうちょっと引っかかると思ったけどね。フェアリーSがめっちゃ強かったし、持っているポテンシャルは高いと思う」と感触を語った。[^1] 2025年10月19日、秋華賞。5番人気。ゲートを出ると、エリカエクスプレスは自然にハナを奪った。武豊は押しつけず、馬の気持ちに任せた逃げを選んだ。道中は少し力んだが、直線へ向いても先頭を保った。ゴール残り50mで、ルメール騎乗のエンブロイダリーが半馬身交わしていく。2着。 レース後、武豊は静かに言った。「やりたいレースはできたかなと思います。じわっといい感じでハナを切れた。道中で力んでいた。それがなければ粘れてもおかしくなかった。クリストフはさすがです」。[^2] 惜しかった、の一語で片づけるには、あまりに克明な手応えだった。
出典:デイリースポーツ「【秋華賞】エリカエクスプレス 加速ラップで好調アピール 武豊「思ったより乗りやすかった」 心身整い大一番へ万全」2025年10月17日、https://www.daily.co.jp/umaya/news/2025/10/17/0019597481.shtml、閲覧日:2026年6月28日。/スポーツニッポン「【秋華賞】逃げたエリカエクスプレス 惜しい2着…武豊「思ったレースはできました。クリストフはさすが」」2025年10月19日、https://news.yahoo.co.jp/articles/f87e040e39b3b64005bfcb0339d102455d067c84、閲覧日:2026年6月28日。
直線の長さ ― GIへの問い
エリザベス女王杯は12着。外回りの京都芝2200m、距離と回りが合わなかった。武豊は「距離が長いのかな。外回りがしんどかった」と言った。[^1] マイルの快速が、スタミナの戦場に踏み込んだ代償だった。 2026年春、エリカエクスプレスは自分の土俵に戻ってきた。3月の中山牝馬ステークスは4着。武豊は「悪くなかったけど、もう一伸びできそうでできなかった」と振り返った。[^2] そして5月のヴィクトリアマイル。東京の芝1600m、女王決定戦。5番人気。武豊はゲートを出ると手を軽く動かし、すぐに単独の逃げを作る。前半3ハロン34秒6の絶妙なスローで後続を縦長に並べ、直線へ向いても先頭を保った。だが東京の直線が、最後の最後に牙を剥く。エンブロイダリーに交わされ、さらにクイーンズウォークに鼻差及ばず4着。武豊は「良さを生かすレースができた。東京はやっぱり直線が長いね」と言った。[^3] 見せ場は十分だった。それだけに、あと少しの先が遠い。 夏は北へ向かった。8月2日、札幌のクイーンステークス。2番人気。武豊はまたゲートを決めてハナへ立ち、自分のペースで運んだ。それでも直線で外から来た馬に抵抗できず、4着。中山、東京、札幌――舞台を変えても、同じ着順が三つ並んだ。 レースの後、武豊が口にしたのは距離のことだった。状態もペースも悪くなかった、結果的にはやはりマイルがこの馬のベストなのかもしれない、と。開催二週目にしては馬場が渋く、時計の速い馬場のほうが良いのかもしれない、とも付け加えた。答えの在り処は、中山か府中かという競馬場の名前ではなく、1600メートルという距離のほうにあるのかもしれない。10戦2勝。快速という名を背負った黒鹿毛は、まだ問いの途中にいる。
出典:スポーツ報知「【エリザベス女王杯】「距離が長いのかな」武豊騎手の3歳エリカエクスプレスは12着に沈む」2025年11月16日、https://news.yahoo.co.jp/articles/c7e9a6a40ca0551b6f1fe97b249740c9e7d6eadb、閲覧日:2026年6月28日。/スポーツ報知「【中山牝馬S】エリカエクスプレスは最後の最後に力尽き4着 武豊騎手「もう一伸びできそうでできなかった」」2026年3月7日、https://news.infoseek.co.jp/article/hochi_20260307-OHT1T51226/、閲覧日:2026年6月28日。/スポーツニッポン「【ヴィクトリアマイル】エリカエクスプレスは写真判定4着 武豊「良さを生かすレースできた」」2026年5月17日、https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sponichi/sports/sponichi-spngoo-20260517-0312、閲覧日:2026年6月28日。
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