名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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デルマソトガケのイメージビジュアル
デルマソトガケDerma Sotogake
Derma Sotogake

デルマソトガケ

通算成績23戦4勝

獲得賞金48,423万円

生年月日 2020.04.28(令和2年)毛色 栗毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
デルマソトガケの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
9 JpnⅠ川崎記念 川崎 ダ2100 9人気 横山武史 2:17.4 上り39.7映像
6 JpnⅡダイオライト記念 船橋 ダ2400 6人気 横山和生 2:39.0 上り41.6
5 JpnⅢ佐賀記念 佐賀 ダ2000 3人気 團野大成 2:09.3 上り39.7
3 JpnⅢ名古屋大賞典 名古屋 ダ2000 6人気 團野大成 2:06.8 上り38.8
3 JpnⅡ浦和記念 浦和 ダ2000 7人気 團野大成 2:07.5 上り37.0
8 GIIIみやこS 京都 ダ1800 14人気 団野大成 1:49.6 上り37.3映像
14 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 13人気 松若風馬 1:37.9 上り37.5映像
5 JpnⅢ佐賀記念 佐賀 ダ2000 5人気 松若風馬 2:10.9 上り39.6
6 GI東京大賞典 大井 ダ2000 6人気 C.ルメール 2:06.7 上り38.0映像
13 GIBCクラシック デルマー ダ2000 8人気 ルメール 映像
5 JpnⅡ日本テレビ盃 船橋 ダ1800 2人気 C.ルメール 1:54.6 上り40.0
6 GIドバイワールドカップ メイダン ダ2000 2人気 O.マーフィー 映像
5 GIサウジカップ キングアブドゥル ダ1800 4人気 C.ルメール 映像
2 GIBCクラシック サンタアニタパー ダ2000 7人気 C.ルメール 映像
6 GIケンタッキーダービー チャーチルダウン ダ2000 3人気 C.ルメール 映像
1 GIIUAEダービー メイダン ダ1900 3人気 C.ルメール 1:55.8 映像
3 GIIIサウジダービー キングアブドゥル ダ1600 2人気 松若風馬 1:39.2 映像
1 JpnⅠ全日本2歳優駿 川崎 ダ1600 3人気 松若風馬 1:43.3 上り40.2映像
1 もちの木賞 阪神 ダ1800 3人気 松若風馬 1:55.3 上り37.4
1 2歳未勝利 中京 ダ1800 1人気 松若風馬 1:53.8 上り38.1
3 2歳未勝利 小倉 ダ1700 2人気 松若風馬 1:47.0 上り39.2
4 2歳未勝利 小倉 芝1800 3人気 松若風馬 1:49.6 上り34.9
6 2歳新馬 阪神 芝1800 10人気 松若風馬 1:51.0 上り34.5

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
デルマソトガケの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
マインドユアビスケッツMind Your BiscuitsPosseSilver Deputy
Raska
JazzmaneToccet
Alljazz
アムールポエジーネオユニヴァースNeo UniverseサンデーサイレンスSunday Silence
ポインテッドパスPointed Path
ハッピーリクエストトニービンTony Bin
エイプリルソネットApril Sonnett
STORY

旅程 — この馬の物語

2020年生まれの栗毛の牡馬。父マインドユアビスケッツ、母アムールポエジー。主な勝ち鞍は全日本2歳優駿・UAEダービー。

名は外掛け ― 砂で見つけた自分

「デルマ」は馬主・浅沼廣幸の冠名、「ソトガケ」は相撲の決まり手の一つ、外掛けである。組み合ってから相手の脚に自分の脚を掛け、捻り倒す技。栗毛の牡馬は、その名のとおり、正面からぶつかり合う競馬で強くなっていく。 2020年4月28日、社台ファーム生まれ。父マインドユアビスケッツは、ドバイの砂の短距離戦ゴールデンシャヒーンを連覇したアメリカの快速馬で、日本に種牡馬として輸入されたばかりだった。母アムールポエジーは2013年の関東オークスを勝った牝馬。母の半兄には、カペラステークスや北海道スプリントカップを制したダートの快速ミリオンディスクがいる。砂の血が、幾重にも重なっていた。 手綱を取ったのは若手の松若風馬。だが2022年6月、阪神の芝1800mで迎えたデビュー戦は6着、続く芝の一戦も4着に終わる。転機は、矛先をダートに変えてからだった。小倉のダートで走りが一変し、中京のダート1800mでついに初勝利。芝で躓いた馬は、砂の上で自分を見つけた。

川崎の夜 ― 全日本2歳優駿

オープンのもちの木賞を松若とともに勝ち上がると、2022年12月14日、川崎のダート1600mへ。2歳ダート王者を決めるJpnI、全日本2歳優駿である。 ゲートを出て中団に控え、直線で外へ持ち出す。内から食い下がるオマツリオトコとの追い比べを、最後はアタマ差だけ抜け出して制した。重賞初挑戦が、いきなりのJpnI制覇。新種牡馬マインドユアビスケッツにとっても、産駒が挙げた初のビッグタイトルだった。 2歳の暮れ、砂の頂に立ったこの栗毛は、翌年、パスポートを手に世界の砂を渡り歩くことになる。長い旅の始まりが、川崎の夜だった。

砂の海を渡る ― UAEダービー

年が明け、遠征が始まる。2023年2月、サウジアラビアのサウジダービーで3着。ここで手綱がクリストフ・ルメールに託された。 3月25日、ドバイ・メイダンのUAEダービー、ダート1900m。ルメールを背にしたデルマソトガケは、ゲートを出るとためらわずハナを切った。道中は自分のリズムで刻み、直線に向くと後続を突き放す。2着ドゥラエレーデに大きな差をつけての逃げ切り圧勝で、しかも1着から4着までを日本馬が占めた。 父マインドユアビスケッツが二度制したドバイの砂を、息子は別のかたちで勝ち取った。世界への扉は、こうして開いた。

チャーチルダウンズの誤算 ― ケンタッキーダービー

次に向かったのは、アメリカ競馬の総本山だった。2023年5月6日、チャーチルダウンズのケンタッキーダービー。日本のダート馬が、アメリカ三冠の初戦に挑む。 単勝3番人気の支持を受けたが、勝負は最初の数完歩で狂った。発馬で後手を踏み、前に行けないまま流れに乗り切れずに6着。砂を被り、位置を取れなかった馬に、得意の外掛けを繰り出す間合いはついに訪れなかった。 アメリカの夢の舞台は、苦い記憶になった。だが、この馬の本当の見せ場は、同じ秋のアメリカで待っていた。

サンタアニタの一馬身 ― BCクラシック

2023年11月4日、サンタアニタパーク。世界のダート最強馬を決めるブリーダーズカップ・クラシック、ダート2000m。ケンタッキーダービーから半年ぶりの実戦、7番人気での参戦だった。 この日のデルマソトガケは、ゲートをきれいに出て前めの3、4番手につけた。直線、先に抜け出したホワイトアバリオを、ルメールの手綱が追う。じりじりと差を詰め、あと一歩――一馬身。捉えきれずに2着だった。 しかしそれは、日本調教馬がブリーダーズカップ・クラシックで初めて手にした連対だった。芝で世界と渡り合ってきた日本競馬が、最も分が悪いとされたアメリカの砂の決戦で、優勝馬の首筋にまで手をかけた。負けてなお、この2着は世界最高峰の砂に刻んだ大きな一歩だった。

旅は続く ― 世界を巡る砂の馬

頂に近づいた馬の旅は、そこから長い後半戦に入る。2024年はサウジカップ5着、父が得意としたドバイのワールドカップで6着。秋にはデルマーでのBCクラシックに再挑戦したが13着、暮れの東京大賞典は6着だった。世界の一線級とは、そのつど紙一重で及ばない。 2025年に入ると、年明けの佐賀記念やフェブラリーステークスで、デビューから2歳王者までを共にした松若風馬が再び手綱を取った。始まりの相棒が、また隣に戻ってきたのだ。秋からは舞台をダートの地方交流重賞に移し、鞍上も團野大成らに替わって、浦和記念や名古屋大賞典で3着に粘る一方、大敗も混じるようになった。厩舎も音無秀孝から須貝尚介、そして牧田和弥へと移っていった。 かつて世界の砂に手をかけた馬は、いまも各地のダートで走り続けている。派手な勝ち星こそ遠くなっても、相手に脚を掛けて食い下がる外掛けの名は、変わらずこの栗毛のものだ。次にその名がどこの直線でうなりを上げるのか――旅は、まだ終わっていない。

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