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ディープスカイ
通算成績17戦5勝
獲得賞金6億4,213万円
生年月日 2005.04.24(平成17年)毛色 栗毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 1人気 | 四位洋文 | 2:11.6 | 上り34.8 | 映像 | |
| 2 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 2人気 | 四位洋文 | 1:33.6 | 上り35.5 | 映像 | |
| 2 | GII産経大阪杯 | 阪神 芝2000 | 1人気 | 四位洋文 | 1:59.7 | 上り34.2 | 映像 | |
| 2 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 1人気 | 四位洋文 | 2:25.6 | 上り33.8 | 映像 | |
| 3 | GI天皇賞(秋) | 東京 芝2000 | 3人気 | 四位洋文 | 1:57.2 | 上り34.5 | 映像 | |
| 1 | GII神戸新聞杯 | 阪神 芝2400 | 1人気 | 四位洋文 | 2:25.3 | 上り35.1 | 映像 | |
| 1 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 1人気 | 四位洋文 | 2:26.7 | 上り34.2 | 映像 | |
| 1 | GINHKマイルカップ | 東京 芝1600 | 1人気 | 四位洋文 | 1:34.2 | 上り33.9 | 映像 | |
| 1 | GIII毎日杯 | 阪神 芝1800 | 6人気 | 四位洋文 | 1:46.0 | 上り34.8 | 映像 | |
| 3 | GIIIアーリントンC | 阪神 芝1600 | 10人気 | 幸英明 | 1:34.9 | 上り34.1 | — | |
| 2 | 3歳500万下 | 東京 芝1600 | 3人気 | 津村明秀 | 1:36.7 | 上り33.4 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 京都 芝1800 | 4人気 | 藤田伸二 | 1:50.9 | 上り35.6 | — | |
| 9 | 3歳未勝利 | 京都 芝2000 | 1人気 | 藤田伸二 | 2:05.6 | 上り35.9 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 中京 芝1800 | 1人気 | 野元昭嘉 | 1:49.6 | 上り35.9 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 東京 芝1800 | 3人気 | 武豊 | 1:49.4 | 上り34.6 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 京都 芝1600 | 5人気 | 武豊 | 1:35.4 | 上り35.2 | — | |
| 4 | 2歳新馬 | 京都 芝1400 | 2人気 | 松田大作 | 1:24.4 | 上り35.5 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父アグネスタキオンAgnes Tachyon | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| アグネスフローラ | ロイヤルスキー | |
| アグネスレディー | ||
| 母アビAbi | Chief's Crown | Danzig |
| Six Crowns | ||
| Carmelized | Key to the Mint | |
| Carmelize |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2005年生まれの栗毛の牡馬。父アグネスタキオン、母アビ。主な勝ち鞍はNHKマイルC・東京優駿・毎日杯。
澄み切った大空 ― 浦河の栗毛
2005年4月24日、北海道浦河町の笠松牧場に、栗毛の牡馬が生まれた。 父はアグネスタキオン。無敗のまま皐月賞を制しながら、左前脚の浅屈腱炎でダービーの舞台に立てず、4戦4勝で競走生活を終えた馬である。母アビは1995年にイギリスで生まれ、競走馬としては5戦1勝。2003年、ガリレオの仔を宿して海を渡り、この浦河の牧場で繁殖生活に入っていた。半兄にサクセスガーヴィン。笠松牧場は1989年に再開業していたが、それから20年、まだ重賞のタイトルを手にしていなかった。 馬主は愛知県豊田市で会社を営む深見敏男。2003年に馬主登録を受けたばかりで、この栗毛は所有する三頭目にあたる。冠名の「ディープ」は自身の姓「深見」から採ったもの。そこに「スカイ」を重ねた。澄み切った大空、という意味だという。 栗東の山内研二厩舎に入る予定だったこの馬は、入厩の直後に昆貢厩舎へ移る。昆は体の節々の未熟さ、とりわけ肩の状態に気づいてデビューを遅らせた。厩舎に置いたまま、調教しながら治す。父が一度も立てなかった府中の2400mまでには、ずいぶん遠回りの道が用意されていた。
六度目に、ようやく
2007年10月8日、京都の芝1400m。2番人気に推された新馬戦は、のちにマイルチャンピオンシップを勝つエーシンフォワードに6馬身以上離された4着だった。 そこから、勝てない秋と冬が続く。11月4日の京都は武豊を背に2着。11月24日の東京も、同じ鞍上で2着。12月16日の中京では初めて1番人気に推され、それでもまた2着。年が明けた1月13日の京都は、1番人気で9着に沈んだ。デビューから5戦、勝ち星がない。 6戦目、1月26日の京都・芝1800m。藤田伸二を背に、ディープスカイはようやく1馬身半差で未勝利を脱した。3歳の1月に勝ち上がったばかりの馬である。春のクラシックの下馬評に、その名はなかった。
四位洋文が跨る ― 毎日杯
2月17日、東京の500万下で2着。3月1日のアーリントンカップは10番人気の3着。重賞では、まだ伏兵の扱いだった。 3月29日、阪神の毎日杯。ここで初めて四位洋文が手綱を取る。6番人気の評価をよそに、ディープスカイは2馬身半差をつけて重賞初制覇を果たした。生産した笠松牧場にとっても、馬主の深見にとっても、初めての重賞タイトルだった。 四位は前年の日本ダービーを、ウオッカで勝っている。牝馬による制覇は64年ぶり、史上3頭目だった。だがその名牝の手綱は、2008年の京都記念を最後に離れていた。ダービージョッキーは勝負服を替え、相棒を替えて、もう一度あの2400mへ向かおうとしていた。
変則二冠 ― 五月と六月の府中
5月11日、NHKマイルカップ。稍重の東京マイルを、ディープスカイは18頭立ての16番手から進めた。内を選び、コーナーで前との差を詰め、直線で先に仕掛けたブラックシェルを捉えて1馬身3/4差。1番人気に応えたGI初制覇であり、昆にとっても、深見にとっても、笠松牧場にとっても、初めてのGIだった。昆はダービー参戦にためらいを残していたが、この日の終いの伸び脚を見て腹を決めたという。 6月1日、東京優駿。枠は1枠1番。四位は道中で武豊の出方を窺い、その後ろについて運ぶことを選んだ。3コーナーは15番手。直線を向くと前は密集して進路がなく、大外へ持ち出してから追い出す。先に抜け出していたスマイルジャックに並びかけ、ほどなく差し切った。1馬身半差。3着は、武豊が跨るブラックシェルだった。 レース後、四位は笑ってこう言った。「これ以上求めたら、バチが当たりますよ」[^1] NHKマイルカップからのダービー制覇は、2004年のキングカメハメハに次ぐ史上2頭目。デビューから5戦勝てなかった馬の戴冠は、1950年のクモノハナ以来、58年ぶり2例目だった。そして四位洋文はダービー連覇――武豊に次ぐ史上2人目であり、牝馬と牡馬の双方でこのレースを勝った騎手は、この男が初めてだった。
出典:スポーツナビ「連覇の四位「最高に幸せです」=ダービー勝利騎手インタビュー」2008年6月2日配信、https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/200806020008-spnavi 、閲覧日:2026年8月1日。
菊を選ばず ― 三強の秋
9月28日、神戸新聞杯。またも1枠1番から中団を進み、直線半ばで先頭に立つ。内から迫るブラックシェルをクビ差しのいで、重賞は4連勝になった。 秋、陣営が選んだのは菊花賞ではなく、古馬の待つ天皇賞(秋)だった。11月2日の東京に立った3歳馬は、この馬ただ一頭。ウオッカ、ダイワスカーレットと並んで三強の一角に数えられ、先行してウオッカと追い比べに持ち込んだ。だが写真判定にもつれ込んだ先頭の二頭にクビ差及ばず、カンパニーにハナ差先着する3着。かつての相棒に、四位は別の勝負服で挑み、そして届かなかった。 11月30日のジャパンカップは1番人気。スローペースの中団後方から末脚を伸ばし、ウオッカもマツリダゴッホも差し切ったが、9番人気のスクリーンヒーローに半馬身だけ足りなかった。 年が明け、JRA賞最優秀3歳牡馬に満票で選ばれる。年度代表馬の投票では、ウオッカ、ダイワスカーレットに次ぐ3位だった。二冠を獲ってなお、この世代の物語の主役は牝馬たちのものだった。
クビ差の春、そして父の訃報
2009年、4歳。4月5日の産経大阪杯は単勝1.6倍の1番人気。好位の外を進んで抜け出したが、ドリームジャーニーにかわされてクビ差の2着。 6月7日、安田記念。中団の内、ウオッカの背後にぴたりとつけた。直線、ウオッカが狙っていた進路へ先に踏み込んで抜け出す。二年続けてダービーを勝った男が、その一年目の相棒の前に立ちはだかった形だった。だが最後に、その末脚に呑み込まれて2着。 6月22日、父アグネスタキオンが急性心不全で死んだ。11歳。自らは一度も走れなかったダービーを息子が勝ってから、まだ一年と少ししか経っていなかった。 その6日後、宝塚記念。1番人気に推されながら直線で伸びを欠き、ドリームジャーニー、サクラメガワンダーに続く3着。それが、生涯17戦目になった。
父と同じ左前 ― 札幌の八月
8月8日、秋に備えて函館競馬場に入厩する。放牧先から左前脚に熱があると報告が入り、12日のエコー検査で損傷率11パーセントの左前浅屈腱炎と判明した。戦線復帰には一年近くを要する。 父アグネスタキオンを競走馬として終わらせたのと、同じ側の、同じ脚の、同じ故障だった。 8月30日、札幌競馬場で引退式が行われ、5270人が見送った。同じ日にJRAの競走馬登録が抹消される。17戦5勝。2着7回、3着3回。着順が5着より下だったのは、1番人気で9着に沈んだあの1月の未勝利戦、ただ一度きりだった。 昆貢は、最初は目立たない馬だったこの馬がダービーを勝って注目を集め、サラブレッドの可能性というものを改めて自分たちに認識させてくれた、と振り返っている。遠回りをさせた調教師の言葉である。
日高の空の下で
2009年秋、日高町のダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスで種牡馬になる。初年度から4年続けて三桁の繁殖牝馬を集め、2012年には188頭。やがて数は減ったが、産駒は走った。サウンドスカイが2015年の全日本2歳優駿を、キョウエイギアが2016年のジャパンダートダービーを勝つ。 そしてクリンチャー。2017年の菊花賞で2着に入った。父が一度も走らなかった、淀の3000mである。翌年には京都記念を勝ち、天皇賞(春)で3着に食い込み、ダートへ矛先を移してからも重賞を勝ち続けた。競走馬を退いたあとは、函館競馬場の誘導馬になっている。 2021年、ディープスカイは種牡馬を引退した。9月28日、日高町のひだか・ホース・フレンズへ移る。引退馬協会のフォスターホースとなり、2022年からはJRAの引退名馬繋養展示事業の対象にも加わった。一般の見学も受け入れている。 四位洋文は2020年2月に騎手を引退し、翌年3月、調教師として自分の厩舎を開いた。あの日、府中の直線を大外から伸びてきた栗毛は、いま日高の放牧地で草を食んでいる。2026年4月24日で21歳。澄み切った大空という名を与えられた馬は、その空の下に、まだ立っている。
産駒 — 旅を継ぐ馬
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