名馬の記憶を、
再生する。
サイトの出馬表
このサイトの、すべての入口。- 今週の競馬WEEKLY重賞日程・観戦コラム・展開シミュレーション
- 名馬録HORSES馬柱と映像で辿る、一頭の全成績と引退後
- レースRACES重賞ごとの歴代優勝馬と、その映像
- 年表TIMELINE一年一走 — 1950年から、年ごとの紙面で
- 物語STORIES三冠馬の系譜、芦毛の怪物たち — 連載読み物
- 牧場帖BOKUJŌ-CHŌ北海道 — 引退馬たちの「いま」を訪ねる帳面
- ドリームレースDREAM時代を越えた夢の一戦を、千回走らせる
- このサイトについてABOUT方針・映像と画像の扱い・お問い合わせ
物語で辿る
テーマ別に名馬の歴史を読む・観る年表ICHINEN-ISSO — 2400m
牧場帖
一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。名馬録
スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。
ディーマジェスティ
通算成績11戦4勝
獲得賞金3億243万円
生年月日 2013.03.24(平成25年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6 | GI天皇賞(春) | 京都 芝3200 | 8人気 | 蛯名正義 | 3:13.5 | 上り35.6 | 映像 | |
| 6 | GII日経賞 | 中山 芝2500 | 3人気 | 蛯名正義 | 2:33.3 | 上り35.3 | 映像 | |
| 13 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 4人気 | 蛯名正義 | 2:27.1 | 上り35.0 | 映像 | |
| 4 | GI菊花賞 | 京都 芝3000 | 2人気 | 蛯名正義 | 3:03.8 | 上り34.5 | 映像 | |
| 1 | GII朝日セントライト記念 | 中山 芝2200 | 1人気 | 蛯名正義 | 2:13.1 | 上り34.5 | — | |
| 3 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 1人気 | 蛯名正義 | 2:24.1 | 上り33.3 | 映像 | |
| 1 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 8人気 | 蛯名正義 | 1:57.9 | 上り34.0 | 映像 | |
| 1 | GIII共同通信杯 | 東京 芝1800 | 6人気 | 蛯名正義 | 1:47.4 | 上り34.9 | 映像 | |
| 取 | GIIホープフルS | 中山 芝2000 | 蛯名正義 | — | — | |||
| 1 | 2歳未勝利 | 東京 芝2000 | 1人気 | 蛯名正義 | 2:01.8 | 上り33.5 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 中山 芝1800 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:49.3 | 上り34.4 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 札幌 芝1500 | 3人気 | C.ルメール | 1:32.2 | 上り35.5 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | Alzao | |
| Burghclere | ||
| 母エルメスティアラ | ブライアンズタイムBrian's Time | Roberto |
| Kelley's Day | ||
| シンコウエルメス | Sadler's Wells | |
| Doff the Derby |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2013年生まれの鹿毛の牡馬。父ディープインパクト、母エルメスティアラ。主な勝ち鞍は皐月賞・共同通信杯・朝日セントライト記念。
走らなかった母 ― 血と名
母エルメスティアラは、一度もゲートに入らなかった。1998年2月18日に北海道門別で生まれ、生産はシンコーファーム。父ブライアンズタイム、母はアイルランド産のシンコウエルメス。血の格は十分にありながら、競走成績の欄を空白のまま残して繁殖に上がっている。 その空白の後ろに、名前だけが並んでいた。祖母シンコウエルメスの父はサドラーズウェルズ、その母はDoff the Derby。Doff the Derbyの仔には、英ダービーと愛ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制したジェネラスがいる。母の半妹エルノヴァはエリザベス女王杯で三着に入り、同じ祖母から出たいとこには、のちにスプリンターズステークスを勝つタワーオブロンドンがいた。走らなかった母の背後に、走った血だけが積み上がっていた。 2013年3月24日、北海道新ひだか町の服部牧場。その牝馬にディープインパクトを配して生まれた鹿毛の牡が、ディーマジェスティである。馬名の由来は「父名+威厳」。父の名の一字に、威厳を重ねただけの、飾りのない名前だった。母がディープインパクトとの間に残した四頭のうち、二番目に生まれたのがこの馬にあたる。
札幌のハナ差
2015年9月5日、札幌の芝1500m。デビュー戦の鞍上はクリストフ・ルメール、三番人気。前で粘るキングライオンを最後まで捉えきれず、ハナ差の二着に終わった。 二戦目から蛯名正義が乗る。9月26日、中山の芝1800m。単勝1.6倍という支持を受けながら、またも二着。三度目の未勝利戦は11月23日の東京・芝2000mで、ここでようやく先頭でゴールした。クビ差で退けた相手は、翌春のスプリングステークスを勝つマウントロブソンである。 年内最終戦にはホープフルステークスが登録されていたが、当日の早朝にフレグモーネを発症して出走取消。二歳の成績は三戦一勝。この時点で、翌春の主役に名を挙げる声は多くなかった。 この一族で先に中山の四月を走っていたのは、四つ上の半兄セイクレットレーヴだった。父はアドマイヤムーン。2012年のニュージーランドトロフィーで、カレンブラックヒルの二馬身半後ろ、二着に敗れている。緑に紫の二本輪という同じ勝負服が、四年後にもう一度、同じ競馬場の四月へ戻ってくることになる。
一勝馬の共同通信杯
年が明けての初戦は共同通信杯。一勝馬という肩書きは正直で、単勝22.6倍の六番人気だった。それが東京の直線で外から堂々と抜け出し、イモータルを一馬身1/4突き放して勝つ。重賞初制覇である。 この馬を管理していたのは美浦の二ノ宮敬宇、手綱を取り続けたのは蛯名正義。二人には共有した記憶があった。1999年、エルコンドルパサーでロンシャンの凱旋門賞へ挑み、先頭でゴールへ向かいながらモンジューに半馬身及ばず二着。2010年、ナカヤマフェスタで、もう一度二着。海を渡って二度、世界の頂の半歩手前に立ち、二度とも越えられなかった。 そして蛯名には、もう一つ空白があった。1991年にシャコーグレイドで初騎乗して以来、二十五年、日本ダービーだけが勝てずにいる。関東のトップジョッキーとして積み上げた勝ち鞍のなかで、五月の府中だけが穴のまま残っていた。
大外十八番 ― 三強の外から
皐月賞の中山は、三強の日と決まっていた。単勝2.7倍のサトノダイヤモンド、2.8倍のリオンディーズ、3.7倍のマカヒキ。共同通信杯を勝ったばかりのディーマジェスティは30.9倍の八番人気で、引いた枠は十八番、十八頭立ての大外である。 かかり気味のリオンディーズが引っ張り、前半1000mは58.4秒。速い。蛯名は動かなかった。有力どころが前がかりになれば、他はそれを追う――そう読んで、十四番手で脚を溜めた。 直線、早めに先頭へ立ったリオンディーズを、エアスピネルとサトノダイヤモンドが捉えにかかる。その外から、大外枠の鹿毛が来た。残り200mで鞭に応え、前を一度にまとめて飲み込むと、最後方に近い位置から追い込んできたマカヒキに一馬身1/4だけ残して、先にゴール板を過ぎた。 1分57秒9。ロゴタイプの1分58秒0を三年ぶりに更新するレースレコードだった。二ノ宮敬宇にとっては皐月賞初制覇であり、クラシック初制覇でもある。蛯名は2014年のイスラボニータに続く二度目の皐月賞。 ゴール直後に審議のランプが灯ったが、勝ち馬には関わりのない裁定だった。四位入線のリオンディーズが直線で外へ斜行し、進路を妨げられたエアスピネルが四着に繰り上がって、リオンディーズは五着へ降着。三強の一角は、自らの斜行で着順を落とした。
一番枠の半馬身
五月二十九日、東京優駿。皐月賞馬は3.5倍の一番人気に推された。二番人気サトノダイヤモンドが3.8倍、三番人気マカヒキが4.0倍で、支持は三頭にほとんど並んでいる。枠は一枠一番。中山で大外を引いた馬が、府中では最内から出た。 前半1000mはちょうど60秒。三頭は中団に構え、ディーマジェスティはその一番後ろ、九番手あたりを進んだ。 直線、粘るマイネルハニーをエアスピネルが交わして先頭に立つ。その後ろでマカヒキとサトノダイヤモンドが並び、外から蛯名の馬も伸びてきた。残り150m、三頭が同時にエアスピネルを飲み込む。そこから先はマカヒキとサトノダイヤモンドの叩き合いになり、長い写真判定の末、八センチだけマカヒキが前に出ていた。 ディーマジェスティの上がり三ハロンは33秒3。勝ったマカヒキと同じ数字を出しながら、半馬身届かず三着だった。ゴール後、川田将雅とクリストフ・ルメールが手をつないで互いの健闘をたたえる。川田はこの一勝で、クラシック五競走の完全制覇を史上八人目として果たした。 その隣に、また五月の府中を勝てなかった男がいた。
淀の三千、府中の二千四
秋の始動はセントライト記念。マカヒキはフランスへ、サトノダイヤモンドは神戸新聞杯へ向かい、中山に強敵はいなかった。単勝1.4倍の圧倒的支持に応え、四コーナー手前で位置を上げると直線で早めに先頭へ立ち、追いすがるゼーヴィントをクビ差だけ抑える。重賞三勝目だった。 菊花賞は二番人気。だが淀の三千メートルで、様子が変わった。中団を進み、最終コーナーでサトノダイヤモンドと並んだあたりから手応えが怪しくなる。相手は馬なりのまま回っていた。直線で突き放され、九番人気のレインボーラインとエアスピネルにも交わされて四着。三着とはクビ差、勝ち馬とは0秒5である。 古馬との初対戦となったジャパンカップは四番人気。一枠一番から逃げたキタサンブラックが刻んだ前半1000mは61秒7で、後ろから運ぶ馬には苦しい流れになった。中団の後ろから外へ出したが伸びず、十三着。三歳の秋は、そこで閉じた。
四歳の春、そして十一月二十日
2017年の初戦は中山の日経賞。三番人気で六着、勝ったのは同世代のシャケトラだった。次に選んだのは京都の天皇賞(春)。八番人気の評価を受け、後方から最終コーナーで進出したが届かず六着。この日の淀は、キタサンブラックが3分12秒5でディープインパクトの持っていたレコードを塗り替えた日である。ディーマジェスティの3分13秒5は、その一秒後ろにあった。 そして、四月三十日の京都が最後になった。夏も、秋も、この馬はゲートに入らない。十一月二十日、翌日付での引退が発表される。十一戦四勝、獲得賞金は3億243万円。二歳の九月から四歳の四月まで、現役は一年八か月に満たなかった。 翌年から、新ひだか町のアロースタッドで種牡馬になる。生まれた服部牧場から、そう遠くない土地である。
メイダンの砂と、六月の殿堂
種牡馬としてのディーマジェスティは、静かだった。中央の重賞では、いまも産駒の勝ち馬が出ていない。それでも血は、思いがけない場所から返事をよこした。 2026年3月28日、ドバイ・メイダン競馬場のUAEダービー。ダート1900mを勝ったのは、栗東・高柳大輔厩舎のワンダーディーンだった。父ディーマジェスティ。日本調教馬による同レース五連覇であり、父が中山でレコードを刻んだ年から、ちょうど十年後のことである。この三歳馬はそのままアメリカへ渡り、ケンタッキーダービーで八着に走った。地方では笠松のヨサリがネクストスター笠松を勝ち、生まれ故郷の服部牧場は、いまも父の仔を送り出している。 そして2026年6月15日。JRAはその年の顕彰者に、蛯名正義を選んだ。騎手部門としては十二年ぶり、史上八人目。騎手生活で積み上げたのはJRA2541勝、重賞129勝、うちGI26勝。エルコンドルパサー、マンハッタンカフェ、アパパネ――名前は尽きない。ただ一つ、ダービーの欄だけが空いたままである。 発表の日、蛯名は「騎手時代にかなわなかった夢を追いかけて、これからも一層精進して参りたい」と語った[^1]。二度、パリで半歩届かなかった。府中でも届かなかった。それでも中山の四月に、大外十八番から三強をまとめて抜き去った一日がある。1分57秒9。緑に紫の二本輪が先頭で通過したあの時計は、いまも消えていない。
出典:中日スポーツ「【JRA】2026年度顕彰者に蛯名正義元騎手を選出 G1勝利数26回、JRA通算勝利数歴代5位」2026年6月15日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/1267135、閲覧日:2026年7月26日。
このサイトについて
名馬ジャーニーとは
名馬ジャーニーは、競馬の名レースと、引退した馬たちのその後を記録する、個人運営のアーカイブサイトです。数分のレースだけでなく、馬がターフを去ってからの時間まで辿れることを大切にしています。JRAなどの競馬主催者・関連団体とは関係のない、一人の競馬好きが続けている場所です。
情報について
本サイトの競走馬プロフィールやレース記録は、報道記事やWikipediaなど、一般に公開されている情報をもとに、当サイトの言葉で整理・編集しています。各馬の歩みをたどる読み物には、参考にした記事の出典を末尾に記載し、引用は必要な範囲にとどめています。
競走成績などのデータは、Wikipediaを主として一般に公開されている情報を参考に、当サイトが独自に整理・編集したものです。JRAの公式サイトやJRA-VAN、netkeibaといった競馬情報サービスのデータベースを転載・複製したものではありません。個人が公開情報をもとにまとめたものであり、内容の正確性を保証するものではありません。
文章の制作には生成AIを活用し、運営者が確認のうえ公開しています。ただし個人による運営で、一部は自動的に更新されるため、誤りや古くなった情報が含まれている場合があります。誤りにお気づきの際は、お知らせいただけると幸いです。馬券の購入その他の判断は、JRA・各主催者の公式発表にもとづき、ご自身の責任で行ってください。
画像について
本サイトに掲載している競走馬のイラストなどの画像は、AIで生成したオリジナルのものです。実在する写真を複製・加工したものではありません。競走馬の毛色や特徴を完全に再現できるものではない点は、あらかじめご了承ください。なお、映像のサムネイルは、YouTube上の各動画のサムネイル画像を表示しています。
映像について
本サイトのレース映像は、競馬主催者などの公式チャンネルが公開し、埋め込みを許可している動画だけを、YouTubeの標準的な埋め込み機能でご紹介しています。権利者に無断で転載された映像は扱いません。牧場の映像も同じ仕組みで、牧場や、牧場を訪ねた方々が自身のチャンネルで公開している動画をご紹介しています。
動画は埋め込み先でもYouTube上で再生され、再生数・広告収益はすべて各チャンネルに帰属します。あわせて各チャンネルの登録ボタンを設け、ご覧になった方が配信元のチャンネルへ辿り着けるようにしています。本サイトが動画ファイルを保存・配信することはありません。
名レースの記憶を残し、馬たちの引退後まで辿るこのサイトが、その映像を遺してくださった各チャンネルと、新しい競馬ファンとの出会いに少しでも役立てば幸いです。
広告について
本サイトは、運営を続けるための費用にあてるため、競走馬プロフィールや成績表など、当サイトが制作したコンテンツが主体のページに広告を掲載することがあります。動画の視聴が主となる場面には広告を置きません。アフィリエイトリンクなどを掲載する場合は、広告であることがわかる表示を行います。
アクセス解析について
本サイトは、閲覧状況の把握と改善のため、Googleアナリティクスを利用しています。GoogleアナリティクスはCookieを用いてアクセス情報を収集しますが、個人を特定する情報は含まれません。仕組みの詳細はGoogleのポリシーと規約をご確認ください。Cookieは、お使いのブラウザの設定で無効にすることもできます。
免責事項
掲載内容には正確を期していますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。本サイトの利用、およびリンク先の外部サイトの利用によって生じた損害について、運営者は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
お問い合わせ・権利者の方へ
掲載内容についてのお問い合わせ、誤りのご指摘、掲載をご希望されない場合の削除・修正のご依頼を承ります。権利者やご関係者の方からのお申し出には、内容を確認のうえ、速やかに対応いたします。お問い合わせ先は、準備が整い次第このページに掲載いたします。映像については、各チャンネル側の設定でも表示を停止いただけます。