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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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デビットバローズのイメージビジュアル
デビットバローズDavid Barows
David Barows

デビットバローズ

通算成績20戦6勝

獲得賞金16,639万円

生年月日 2019.05.22(令和元年)毛色 鹿毛セン

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
デビットバローズの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
11 GIII函館記念 函館 芝2000 8人気 岩田望来 1:58.5 上り35.4映像
8 GI大阪杯 阪神 芝2000 8人気 岩田望来 1:58.3 上り35.4映像
1 GIII鳴尾記念 阪神 芝1800 2人気 岩田望来 1:43.7 上り33.9映像
5 GIIIしらさぎS 阪神 芝1600 3人気 松山弘平 1:33.5 上り34.4映像
9 GIIIエプソムカップ 東京 芝1800 5人気 岩田望来 1:45.1 上り35.9映像
1 L大阪城S 阪神 芝1800 3人気 岩田望来 1:44.6 上り33.5
2 L洛陽S 京都 芝1600 6人気 北村友一 1:33.9 上り34.5
16 GIII函館記念 函館 芝2000 5人気 武豊 2:02.9 上り38.5映像
2 OP巴賞 函館 芝1800 1人気 武豊 1:47.1 上り35.2
4 GIII新潟大賞典 新潟 芝2000 6人気 横山典弘 2:00.5 上り34.3映像
2 L大阪城S 阪神 芝1800 3人気 岩田望来 1:45.4 上り34.5
1 寿S 京都 芝2000 8人気 岩田望来 2:00.3 上り35.4
15 レインボーS 中山 芝1800 4人気 菅原明良 1:47.6 上り35.5
垂水S 阪神 芝1800 西村淳也
15 むらさき賞 東京 芝1800 3人気 横山和生 1:46.1 上り34.7
1 須磨特別 阪神 芝1800 6人気 岩田望来 1:45.9 上り33.6
1 春日井特別 中京 芝2200 1人気 川田将雅 2:12.2 上り35.7
1 3歳未勝利 中京 芝2000 1人気 川田将雅 2:01.6 上り34.8
4 3歳未勝利 中京 芝2000 3人気 松山弘平 2:02.3 上り34.8
4 2歳未勝利 阪神 芝1800 4人気 松山弘平 1:47.6 上り35.2
7 2歳新馬 阪神 芝1800 2人気 松山弘平 1:50.4 上り34.8

血統

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デビットバローズの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ロードカナロアLord KanaloaキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファスManfath
レディブラッサムStorm Cat
サラトガデューSaratoga Dew
フレンチビキニサンデーサイレンスSunday SilenceHalo
Wishing Well
FuenjiSaumarez
Belle et Chere
STORY

旅程 — この馬の物語

2019年生まれの鹿毛のせん馬。父ロードカナロア、母フレンチビキニ。主な勝ち鞍は鳴尾記念。

「バローズ」の一頭 ― 名と血

馬主は猪熊広次。モバイル配信を手がける株式会社バローズの代表で、所有馬には「バローズ」の冠名が連なる。2019年の日本ダービーを制したロジャーバローズも、その一頭だ。デビットバローズ――「デビット」は人名にちなみ、「バローズ」はその一族の印である。 父は短距離を制圧した名馬ロードカナロア。母フレンチビキニの父はサンデーサイレンス。半姉には2016年の新潟2歳ステークスを勝ったヴゼットジョリーがいる。2019年5月22日、社台ファームに生まれた鹿毛は、スプリント王を父に持ちながら、短い距離で弾ける快速ではなく、中距離をじっくり駆け上がる晩成の相をしていた。

遅い船出 ― 川田将雅と勝ち上がり

デビューは2021年10月、阪神の新馬戦。鞍上は松山弘平で7着。続く未勝利戦も勝ち切れず、年が明けても中京で4着。勝利の二文字は、なかなか近づいてこなかった。 歯車が噛み合ったのは四戦目だった。2022年5月、中京の未勝利戦。手綱は川田将雅。1番人気に応えてようやく勝ち上がると、続く春日井特別も同じ川田を背に連勝する。中京の芝2200メートルを危なげなく運ぶ姿に、この馬の距離適性と、急がば回れの気配がのぞいた。

岩田望来 ― 若き主戦との出会い

2023年2月、阪神の須磨特別。6番人気のデビットバローズを勝利に導いたのは、岩田望来だった。父は名手・岩田康誠。2000年生まれの若手は、のちにJRA通算400勝を武豊に次ぐ史上2番目の若さで達成する、伸び盛りの騎手だった。晩成の鹿毛と、昇り調子の青年。二人三脚は、ここから始まる。 もっとも、道は平坦ではなかった。同じ年、東京のむらさき賞は15着、秋の中山でも15着と大敗し、夏には出走取消も味わう。それでも年明けの2024年1月、京都の寿ステークスを8番人気で制してみせる。人気を裏切る一発と、人気に沈む凡走を繰り返しながら、馬も騎手も、少しずつ間合いを覚えていった。

函館の惨敗 ― 去勢という決断

2024年、デビットバローズは重賞戦線の入口をうろついていた。大阪城ステークス2着、新潟大賞典4着。夏の函館では、武豊を背に巴賞で2着に好走し、いよいよかと思われた。 だが本番の函館記念は、16着の大敗だった。掲示板どころか、後方に沈んだ。ここで陣営は決断する――去勢。五歳での手術は、牡馬としての未来と引き換えに、競走馬としての完成に賭ける選択だった。放牧に出された鹿毛が次にゲートへ戻るまで、半年あまりの時が流れた。

鳴尾記念 ― 六歳、初めての重賞

去勢明けの鹿毛は、別の馬のように我慢が利くようになっていた。2025年、洛陽ステークス2着、そして春の大阪城ステークスを岩田望来で快勝し、オープン初勝利。夏のしらさぎステークスを叩いて、秋を放牧で休んだ。 2025年12月6日、阪神。5か月ぶりの復帰戦となった鳴尾記念で、2番人気に推されたデビットバローズは、好位を進んだ。直線、残り300メートルで先頭に立つと、そのまま2馬身、後続を突き放す。六歳にして、初めての重賞制覇だった。鞍上の岩田は、前年のヨーホーレイクに続く同レース連覇。「それにしても強い勝ち方でした」[^1]。四戦を要して勝ち上がり、一度は去勢まで経た馬が、ようやく重賞のウイナーズサークルに立った。

出典:東スポ競馬「【鳴尾記念結果&コメント】デビットバローズで岩田望来が連覇達成「それにしても強い勝ち方でした」」2025年12月6日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/65984、閲覧日:2026年7月18日。

大阪杯へ ― 旅はまだ続く

重賞を勝った鹿毛は、初めて最上の舞台に立つ。2026年4月5日の大阪杯。相手はクロワデュノールダノンデサイルとダービー馬が二頭。7歳セン馬は8番人気に過ぎず、結果は8着だった。格の違いは、確かにあった。それでも、遅咲きの晩成馬がGIのゲートに立てたこと自体が、長い積み重ねの果実だった。 続く函館記念は11着。ひとつずつ坂を上ってきたこの馬に、劇的な結末が約束されているわけではない。それでも、五歳で去勢を経てなお走り続ける鹿毛と、隣で腕を上げていく若い騎手の物語は、まだ途中にある。次にゲートが開く日を、静かに待てばいい。

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