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ダノンシャーク
通算成績39戦7勝
獲得賞金4億8,677万円
生年月日 2008.03.09(平成20年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 14人気 | 松山弘平 | 1:33.4 | 上り34.8 | 映像 | |
| 9 | GII毎日王冠 | 東京 芝1800 | 10人気 | 柴田善臣 | 1:47.6 | 上り34.9 | — | |
| 7 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 11人気 | 岩田康誠 | 1:33.4 | 上り33.7 | 映像 | |
| 2 | GII読売マイラーズカップ | 京都 芝1600 | 5人気 | 福永祐一 | 1:32.6 | 上り34.2 | 映像 | |
| 7 | GIII阪急杯 | 阪神 芝1400 | 7人気 | F.ヴェロン | 1:20.2 | 上り33.9 | 映像 | |
| 15 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 4人気 | C.ルメール | 1:22.7 | 上り35.4 | — | |
| 10 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 7人気 | 岩田康誠 | 1:33.5 | 上り33.1 | 映像 | |
| 4 | GII毎日王冠 | 東京 芝1800 | 10人気 | 岩田康誠 | 1:45.9 | 上り33.6 | 映像 | |
| 10 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 5人気 | 岩田康誠 | 1:32.7 | 上り34.2 | 映像 | |
| 5 | GIII阪急杯 | 阪神 芝1400 | 3人気 | 福永祐一 | 1:24.4 | 上り36.7 | 映像 | |
| 1 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 8人気 | 岩田康誠 | 1:31.5 | 上り34.1 | 映像 | |
| 7 | GIII富士S | 東京 芝1600 | 1人気 | 福永祐一 | 1:33.5 | 上り34.0 | — | |
| 2 | GIII関屋記念 | 新潟 芝1600 | 1人気 | 内田博幸 | 1:32.6 | 上り34.2 | — | |
| 4 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 9人気 | 内田博幸 | 1:37.4 | 上り38.2 | 映像 | |
| 9 | GIII阪急杯 | 阪神 芝1400 | 1人気 | 小牧太 | 1:21.9 | 上り36.3 | — | |
| 3 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 1人気 | 福永祐一 | 1:32.7 | 上り34.1 | 映像 | |
| 1 | GIII富士S | 東京 芝1600 | 1人気 | 内田博幸 | 1:33.5 | 上り33.5 | — | |
| 2 | GIII京成杯オータムH | 中山 芝1600 | 2人気 | 内田博幸 | 1:32.0 | 上り33.8 | — | |
| 3 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 12人気 | C.デムーロ | 1:31.6 | 上り33.2 | 映像 | |
| 3 | GII読売マイラーズカップ | 京都 芝1600 | 3人気 | C.デムーロ | 1:32.7 | 上り35.0 | — | |
| 1 | GIII京都金杯 | 京都 芝1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:33.5 | 上り34.0 | — | |
| 6 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 6人気 | 浜中俊 | 1:33.3 | 上り34.2 | 映像 | |
| 4 | GII毎日放送賞スワンS | 京都 芝1400 | 2人気 | 浜中俊 | 1:20.7 | 上り33.6 | — | |
| 5 | GII毎日王冠 | 東京 芝1800 | 6人気 | 浜中俊 | 1:45.3 | 上り33.8 | — | |
| 2 | GIIIエプソムカップ | 東京 芝1800 | 2人気 | 福永祐一 | 1:46.7 | 上り33.9 | — | |
| 2 | GII読売マイラーズカップ | 京都 芝1600 | 6人気 | 福永祐一 | 1:33.4 | 上り34.8 | — | |
| 5 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 1人気 | 内田博幸 | 1:33.3 | 上り33.5 | — | |
| 2 | GIII京都金杯 | 京都 芝1600 | 2人気 | 安藤勝己 | 1:33.1 | 上り34.1 | — | |
| 1 | 逆瀬川S | 阪神 芝1800 | 1人気 | M.デムーロ | 1:48.7 | 上り33.6 | — | |
| 3 | 清水S | 京都 芝1600 | 1人気 | 福永祐一 | 1:33.4 | 上り33.6 | — | |
| 1 | 甲東特別 | 阪神 芝1600 | 1人気 | 福永祐一 | 1:36.8 | 上り33.2 | — | |
| 4 | OPプリンシパルS | 東京 芝2000 | 5人気 | 三浦皇成 | 2:01.4 | 上り34.3 | — | |
| 7 | GIIニュージーランドトロフィー | 阪神 芝1600 | 2人気 | 和田竜二 | 1:34.8 | 上り33.6 | — | |
| 3 | OP若葉S | 阪神 芝2000 | 2人気 | U.リスポリ | 1:59.3 | 上り35.1 | — | |
| 1 | つばき賞 | 京都 芝1800 | 1人気 | 福永祐一 | 1:48.1 | 上り34.8 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 京都 芝1800 | 2人気 | 福永祐一 | 1:49.5 | 上り34.1 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 京都 芝1600 | 1人気 | C.スミヨン | 1:35.3 | 上り34.1 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 京都 芝1600 | 2人気 | 福永祐一 | 1:34.8 | 上り35.3 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 阪神 芝1800 | 2人気 | 松岡正海 | 1:50.2 | 上り33.7 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | Alzao | |
| Burghclere | ||
| 母カーラパワーCarla Power | Caerleon | Nijinsky |
| Foreseer | ||
| Jabali | Shirley Heights | |
| Toute Cy |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2008年生まれの鹿毛の牡馬。父ディープインパクト、母カーラパワー。主な勝ち鞍はマイルチャンピオンS・スポニチ賞京都金杯・富士S。
日高の三月 ― 二〇〇八年
2008年3月9日、北海道沙流郡日高町の下河辺牧場で鹿毛の牡馬が生まれた。父はディープインパクト。この世代が、その最初の産駒である。 母カーラパワーは1998年にイギリスで生まれ、フランスで6戦2勝。母の父はカーリアン、母の母はシャーリーハイツの娘Jabaliである。そのJabaliの半姉Floripedesが産んだのが、1999年にジョッケクルブ賞・アイリッシュダービー・凱旋門賞を続けて勝ったモンジューだった。母にとって、あの馬は従兄にあたる。ヨーロッパの中距離の血が、母系の底に沈んでいる。 その年のセレクトセールに当歳で上場され、3150万円で落札された。買ったのは株式会社ダノックス。オービックを興した野田順弘の資産管理会社で、冠名の「ダノン」は姓の「野田」を逆さに読んだものである。そこへ「シャーク」が重ねられた。 栗東の大久保龍志厩舎に入る。曾祖父の福松から数えて四代目の調教師で、祖父の亀治は1934年の東京優駿をフレーモアで勝った騎手、父の正陽はナリタブライアンを管理した。2002年の暮れに36歳で開業し、2007年にアサクサキングスで菊花賞を勝っている。デビューから引退まで、この馬の管理者は最後まで変わらない。 2010年10月2日、阪神の芝1800m、2歳新馬。鞍上は松岡正海。10頭立ての2番人気で、上がり3ハロン33秒7を使いながら2着に敗れた。先にゴール板を過ぎたリベルタスは、その年の暮れの朝日杯フューチュリティステークスで3着に来ることになる。
三度の二着
10月30日、京都の2歳未勝利。手綱は福永祐一に替わった。この日から、この馬と福永の付き合いが始まる。2番人気で、また2着だった。勝ったのはサダムパテック――暮れの朝日杯で単勝1.8倍の1番人気に支持されることになる馬である。 11月21日、同じ京都の2歳未勝利。クリストフ・スミヨンに乗り替わり、単勝1.4倍に推された。それでもグラッツィアに0.2秒だけ足りず、三度目の2着になった。 デビューから三戦、すべて2着。年が明けた1月15日、四戦目の3歳未勝利でようやく勝ち上がる。福永の手綱だった。2月のつばき賞も福永で勝ち、二連勝でクラシックの候補に名を連ねた。 3月の若葉ステークスはウンベルト・リスポリで3着。勝ったのはダノンミルだった。4月のニュージーランドトロフィーは和田竜二で7着、5月のプリンシパルステークスは三浦皇成で4着。皐月賞にも東京優駿にも、ゲートは開かなかった。この年のクラシックは、オルフェーヴルが三つとも持っていく。 秋、陣営は菊花賞へ向かわず、自己条件へ戻した。9月の甲東特別を福永で勝ち、10月の清水ステークスは1番人気の3着、12月の逆瀬川ステークスをミルコ・デムーロで勝ってオープンに上がる。3歳の一年は8戦4勝。同じ世代が三冠を争っている間に、この馬は下から一段ずつ上がってきた。
一年、勝てず ― 二〇一二年
適距離はマイルだ、と陣営は見ていた。春の目標は安田記念に据えられる。 1月5日の京都金杯は安藤勝己を背に2着。2月の東京新聞杯は内田博幸で1番人気に推されて5着。4月のマイラーズカップは福永で2着、逃げたシルポートを捉えきれなかった。6月のエプソムカップも福永で2着で、勝ったのはトーセンレーヴ――前年のプリンシパルステークスで、この馬の前にいた相手である。 そして安田記念には、出走できなかった。収得賞金が足りず、除外されている。春の目標に据えたレースを、この馬は走れずに終えた。 秋はマイルチャンピオンシップに照準を合わせる。だが毎日王冠5着、スワンステークス4着と、賞金を積み増せない。ぎりぎりの順番でようやく出走にこぎつけた11月18日、京都のマイルチャンピオンシップは6着だった。勝ったのはサダムパテック。二年前の秋、京都の未勝利戦でこの馬の前にいた馬である。 7戦して、一つも勝てなかった一年だった。
重賞挑戦九回目 ― 二〇一三年
1月5日、京都金杯。鞍上はクリストフ・ルメール。16頭立ての1番人気に応え、2着トライアンフマーチに0.4秒差をつけて勝った。重賞に挑んで九度目、五歳の正月に、初めてのタイトルが来た。 4月のマイラーズカップはクリスチャン・デムーロで3着。勝ったのはグランプリボスだった。 6月2日、東京、安田記念。12番人気である。1分31秒6、上がり3ハロン33秒2。外から食い下がったが、ロードカナロアに振り切られ、ショウナンマイティにも先着を許して3着に終わった。勝ったロードカナロアの鞍上は岩田康誠である。その翌年の秋、この男がこの馬の背に跨ることになる。 秋。9月の京成杯オータムハンデキャップは58kgを背負って2着。10月19日の富士ステークスを内田博幸で勝ち、重賞二つ目を手に入れた。0.1秒差の2着はリアルインパクト――同じ2008年に生まれたディープインパクトの初年度産駒で、3歳だった2011年に安田記念を勝っている馬である。早く咲いた同期を、遅れて来たほうが抑えた。 11月17日、マイルチャンピオンシップ。福永が戻り、単勝3.8倍の1番人気に推された。密集した馬群の中から直線で抜け出し、ダイワマッジョーレとの二頭に絞られたかに見えた。そこへ大外から一頭が飲み込んでいく。トーセンラー。武豊の拳が上がったとき、ダノンシャークは3着だった。 この年は6戦。すべて1600mを走り、すべて3着以内に入っている。それでも、GIの一番上にはまだ手が届かない。
五センチ ― 二〇一四年十一月二十三日
6歳の春は、3月の阪急杯を1番人気で9着という結果から始まった。6月8日の安田記念は雨で不良に渋った府中で4着、勝ったのはジャスタウェイ。8月の関屋記念は1番人気の2着でクラレントに0.1秒。10月25日の富士ステークスは連覇がかかっていたが7着に終わる。福永の手綱だった。 11月23日、京都、晴、芝は良。第31回マイルチャンピオンシップ。17頭のうち14頭が重賞ウイナーという組み合わせで、ダノンシャークは8番人気、単勝18.1倍だった。鞍上は岩田康誠。この馬に乗るのは初めてである。 最内からホウライアキコが飛ばし、1000m通過は56秒7。速い。岩田は中団の後ろで前に壁を作って我慢し、4コーナーまで動かなかった。直線を向くと、内に一頭分の隙間が空く。 その隙間の先にいたのがフィエロだった。四コーナーで馬群をさばき、直線で一気に抜け出したその馬の鞍上は、福永祐一である。四年前の秋、京都の未勝利戦からこの馬に乗り、初勝利をもたらし、一年前のマイルチャンピオンシップで1番人気の手綱を取った男だった。 「フィエロがすぐ前にいたので、あの馬だったら絶対に道を作ってくれると」[^1]。岩田はそう考えて内を狙ったという。二頭はびっしりと並んだままゴール板を過ぎ、写真判定になった。差はおよそ5センチ。軍配はダノンシャークに上がった。1分31秒5。 デビューから29戦目、6歳の秋だった。一瞬の脚をどこで生かすか――岩田がこの馬について語ったのは、その一点である。九度目の重賞挑戦で初めてタイトルを取った馬が、五度目のGIでマイル王になった。大久保龍志にとっては、2007年の菊花賞以来のJRA・GI制覇である。 4着には、一年前にこの馬を差し切ったトーセンラーがいた。6着グランプリボス、11着サダムパテック。同じ2008年に生まれた馬たちが、京都のマイルに揃っていた。
出典:スポーツナビ「“さすが!”の岩田、5センチ差の大仕事 6歳ダノンシャーク熟成の秋マイル王」2014年11月23日配信、https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201411230005-spnavi 、閲覧日:2026年7月30日。
八歳の淀 ― 最後の一日
7歳の一年は5戦して、一度も3着以内に入れなかった。3月の阪急杯は不良馬場で5着、6月の安田記念は10着。秋の毎日王冠で4着まで押し上げたが、11月22日のマイルチャンピオンシップは10着。連覇はならなかった。勝ったのはモーリスである。12月の阪神カップは15着に終わる。 2016年。三年続けて阪急杯から始動して7着。4月24日、京都のマイラーズカップに福永が戻ってきた。1枠1番から運び、直線では外へ持ち出して、内から伸びるクルーガーと馬体を並べた。タイム差はゼロ秒の2着である。8歳の春に、まだこれだけ走れた。 6月の安田記念は11番人気の7着、10月の毎日王冠は柴田善臣で9着。 11月20日、京都。第33回マイルチャンピオンシップ。五年続けての出走で、単勝105.1倍の14番人気だった。鞍上は松山弘平。上がり3ハロン34秒8を使って4着に押し上げ、勝ち馬とは0.3秒差。1番人気のサトノアラジンにも、二年前にハナ差で退けたフィエロにも先着している。 勝ったのはミッキーアイル。馬主は野田みづき――ダノックスの野田順弘の妻で、「ミッキー」の冠名を使う馬主である。夫の勝負服は白に赤一本輪、赤袖に白一本輪。妻の勝負服は白に赤星散、白袖。京都のマイルの一着と四着に、その二つが並んだ。 これが最後の一戦になった。同月、競走馬登録が抹消される。39戦7勝、2着9回、獲得賞金4億8677万8000円。
日高へ帰る
2016年の暮れ、生まれた日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬になった。 初年度産駒は28頭。2020年7月29日、門別のダート1700mでシャークスポットが産駒の初勝利を挙げ、11月14日には阪神でタイキドミニオンがJRAでの初勝利を記録している。だが世代は増えず、2021年で種牡馬を退いた。同年12月24日、引退馬協会がこの馬を功労馬として受け入れることを発表する。2022年から引退名馬繋養展示事業の対象となり、同じ日高町のMTHケイムズという牧場に繋養されている。 血は横へ伸びた。一つ下の半妹レイカーラ――父はキングカメハメハ、美浦の堀宣行厩舎にいた牝馬で、2013年のターコイズステークスを勝っている――が産んだ仔に、2020年生まれのシンリョクカがいる。2022年の阪神ジュベナイルフィリーズで、のちの三冠牝馬リバティアイランドの2着に粘り、2024年9月1日の新潟記念をハナ差で勝った牝馬だ。生産したのは、ダノンシャークと同じ下河辺牧場だった。 39戦のうち、先頭でゴール板を過ぎたのは7度。2着は9度ある。三度続けて2着に敗れたところから始まり、九度目の重賞で初めて勝ち、五度目のGIでマイル王になった。淀の直線には、内に一頭分の隙間が空くまで動かずにいた馬がいる。一瞬の脚をどこで使うか――それを探し続けた六年が、この馬の三十九戦だった。 答えを出した淀の直線から遠く離れて、生まれた町で、その馬はいまも暮らしている。
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