名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

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ダノンファラオのイメージビジュアル
ダノンファラオDanon Pharaoh
Danon Pharaoh

ダノンファラオ

通算成績28戦5勝

獲得賞金16,750万円

生年月日 2017.05.05(平成29年)毛色 青鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ダノンファラオの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
6 イヌワシ賞 金沢 ダ2000 3人気 的場文男 2:10.0 上り38.3
4 くろゆり賞 笠松 ダ1600 3人気 渡辺竜也 1:43.3 上り40.2
6 橘OP 川崎 ダ2000 5人気 笹川翼 2:12.9 上り41.7
11 短夜賞 船橋 ダ1700 6人気 笹川翼 1:51.6 上り42.1
14 大井記念 大井 ダ2000 8人気 笹川翼 2:09.1 上り42.6
13 GIIIマーチS 中山 ダ1800 16人気 田中勝春 1:53.4 上り37.7映像
14 GIIIエルムS 札幌 ダ1700 13人気 浜中俊 1:46.5 上り36.4映像
13 OP三宮S 中京 ダ1800 10人気 亀田温心 1:53.6 上り40.7
16 GIII平安S 中京 ダ1900 13人気 坂井瑠星 2:00.0 上り39.1映像
4 JpnⅡダイオライト記念 船橋 ダ2400 4人気 坂井瑠星 2:37.9 上り41.7
16 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 12人気 横山武史 1:54.2 上り38.8映像
7 JpnⅠJBCクラシック 金沢 ダ2100 4人気 横山武史 2:15.0 上り37.8映像
2 JpnⅡ日本テレビ盃 船橋 ダ1800 3人気 横山武史 1:53.6 上り39.3
9 JpnⅠ帝王賞 大井 ダ2000 7人気 川田将雅 2:05.2 上り39.6映像
1 JpnⅡダイオライト記念 船橋 ダ2400 2人気 川田将雅 2:34.5 上り38.8
3 JpnⅠ川崎記念 川崎 ダ2100 3人気 川田将雅 2:15.6 上り37.9
12 GI東京大賞典 大井 ダ2000 2人気 川田将雅 2:08.4 上り37.9
1 JpnⅡ浦和記念 浦和 ダ2000 3人気 川田将雅 2:06.0 上り36.8
5 JpnⅠJBCクラシック 大井 ダ2000 5人気 坂井瑠星 2:04.0 上り38.8映像
7 JpnⅡ日本テレビ盃 船橋 ダ1800 2人気 坂井瑠星 1:54.5 上り43.3
1 JpnⅠジャパンダートダービー 大井 ダ2000 6人気 坂井瑠星 2:05.9 上り39.7
14 L鳳雛S 京都 ダ1800 3人気 坂井瑠星 1:53.2 上り40.2
2 JpnⅡ兵庫チャンピオンシップ 園田 ダ1870 2人気 坂井瑠星 2:01.8 上り38.6
6 OP伏竜S 中山 ダ1800 1人気 坂井瑠星 1:54.4 上り39.6
1 3歳1勝クラス 京都 ダ1800 3人気 坂井瑠星 1:52.8 上り38.3
5 カトレア賞 東京 ダ1600 3人気 三浦皇成 1:37.0 上り37.6
1 2歳未勝利 東京 ダ1600 1人気 三浦皇成 1:38.5 上り36.2
2 2歳新馬 東京 ダ1600 3人気 三浦皇成 1:37.4 上り36.8

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ダノンファラオの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
American PharoahPioneerof the NileエンパイアメーカーEmpire Maker
Star of Goshen
LittleprincessemmaYankee Gentleman
Exclusive Rosette
クリスプCrispEl CorredorMr. Greeley
Silvery Swan
Cat's FairSir Cat
Very Fair
STORY

旅程 — この馬の物語

2017年生まれの青鹿毛の牡馬。父American Pharoah、母クリスプ。

二頭のファラオ ― 名の始まり

父は、砂の上でアメリカ競馬の頂点に立った馬だった。アメリカンファラオ。2015年、37年ぶりにアメリカ三冠を制した歴史的名馬である。その初年度産駒の一頭として、2017年5月5日、ノーザンファームに青鹿毛の牡馬が生まれた。冠名のダノンに父の名を重ねて、ダノンファラオと名づけられる。 王の血は、日本の砂へ渡った。矢作芳人厩舎に入り、2019年10月26日、東京のダート1600mでデビュー。三浦皇成を背に2着に敗れると、二戦目の未勝利戦を危なげなく勝ち上がる。同じ年に生まれた、同じ父を持つもう一頭のファラオがいた。カフェファラオ。鮮烈な勝ちっぷりで世代のダート王候補と騒がれた、本命の御曹司である。ダノンファラオは、その影にいた、もう一頭のファラオだった。

六番人気の資格

2020年、3歳。坂井瑠星との新しいコンビが始まる。2月の京都・1勝クラスを勝つと、伏竜ステークスは6着、兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)で2着に好走。ダート路線を着実に登ってきた――はずだった。だが本番前哨の鳳雛ステークスで、3番人気に推されながら14着の大敗を喫する。 ジャパンダートダービーへ、ダノンファラオは6番人気で駒を進めた。断然の主役は、単勝1.1倍、デビューから三連勝のカフェファラオ。同じ父を持つ二頭が、大井の砂で初めて相まみえる。評価の大半は、一頭に集まっていた。

ファラオはファラオでも

2020年7月8日、大井のダート2000m。逃げるダイメイコリーダを見ながら、ダノンファラオは2番手で折り合った。坂井瑠星が仕掛けたのは直線。逃げ粘る先頭を直線で捉え、後続に1馬身3/4の差をつけて、王の名を持つ馬が先頭でゴールを駆け抜ける。 断然の1番人気カフェファラオは、伸びを欠いて7着に沈んだ。ファラオはファラオでも――大井を制したのは、影にいたほうのファラオだった。父アメリカンファラオがケンタッキーダービーで戴いた栄冠を、その初年度産駒は、日本の3歳ダートの頂点で受け継いでみせる。そしてこの一戦は、鞍上・坂井瑠星にとって初めてのGI級制覇でもあった。まだ若い騎手が手にした、最初の大きな勲章だった。

頂の後で

栄光の余韻は、長くは続かなかった。秋、日本テレビ盃は7着、JBCクラシックは5着。鞍上が川田将雅に替わって臨んだ浦和記念(JpnⅡ)を勝ち切り、地方の主要戦で力を示したものの、2番人気で迎えた暮れの東京大賞典は、好位につけながら直線で失速して12着に惨敗した。 年が明けても、砂の古馬の壁は厚かった。川崎記念は、逃げ切ったカジノフォンテンと追い込んだオメガパフュームに次いで3着に粘り、ダイオライト記念(JpnⅡ)は鮮やかに差し切って勝った。だが帝王賞は9着、JBCクラシックは7着、暮れのチャンピオンズカップは16着。頂の高さを一度知った馬が、その高さへもう一度届くことの難しさだけが、静かに積み重なっていった。

もう一度、あの背中に

2022年、ダノンファラオの鞍上に、坂井瑠星が戻ってきた。初めてのGI級制覇を分かち合った相棒との、再びのコンビ。だが時計の針は戻らない。ダイオライト記念は4着、平安ステークスは16着。以降、三宮ステークス、エルムステークス、マーチステークスと、勝ち星は遠いままだった。 2023年春、ダノンファラオは大井へ移籍する。慣れた砂での再起を期したが、地方で5戦して勝てず、同年秋、6歳で競走生活に幕を下ろした。28戦を走り、5つの勝利。そのうちの一つは、3歳ダート日本一を決めるジャパンダートダービーだった。2020年夏の大井には、断然の主役を差し置いて先頭でゴールを駆け抜けた、たしかな一日がある。王の名を継いだ馬が、その名にふさわしい景色を掴んだ夏を、あの砂は覚えている。

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