名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
HORSES

名馬録

この世代(生まれ年)

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シャンパンカラーのイメージビジュアル
シャンパンカラーChampagne Color
Champagne Color

シャンパンカラー

通算成績19戦3勝

獲得賞金17,168万円

生年月日 2020.03.03(令和2年)毛色 栗毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
シャンパンカラーの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
12 GI安田記念 東京 芝1600 11人気 岩田康誠 1:33.1 上り33.6映像
9 GII読売マイラーズカップ 京都 芝1600 11人気 岩田康誠 1:32.1 上り33.4映像
10 GII中山記念 中山 芝1800 7人気 岩田康誠 1:45.8 上り33.9映像
4 GIII東京新聞杯 東京 芝1600 9人気 岩田康誠 1:32.3 上り32.8映像
14 GIマイルチャンピオンS 京都 芝1600 14人気 坂井瑠星 1:32.6 上り34.0映像
8 GII富士S 東京 芝1600 7人気 戸崎圭太 1:32.5 上り33.1映像
6 GI安田記念 東京 芝1600 14人気 内田博幸 1:33.2 上り33.6映像
6 GIIIダービー卿チャレンジトロフィー 中山 芝1600 7人気 内田博幸 1:32.7 上り33.9映像
7 GIII東京新聞杯 東京 芝1600 11人気 内田博幸 1:33.1 上り33.9映像
12 GII阪神カップ 京都 芝1400 17人気 西村淳也 1:20.7 上り34.2映像
11 GIチャンピオンズマイル シャティン 芝1600 9人気 坂井瑠星 映像
17 GI高松宮記念 中京 芝1200 14人気 吉田豊 1:11.3 上り35.1映像
16 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 14人気 内田博幸 1:38.4 上り40.0映像
14 GI安田記念 東京 芝1600 11人気 内田博幸 1:32.6 上り34.5映像
1 GINHKマイルカップ 東京 芝1600 9人気 内田博幸 1:33.8 上り34.4映像
3 GIIニュージーランドトロフィー 中山 芝1600 7人気 内田博幸 1:34.0 上り35.7映像
6 GIII京成杯 中山 芝2000 3人気 戸崎圭太 2:03.0 上り35.8映像
1 ベゴニア賞 東京 芝1600 3人気 戸崎圭太 1:34.6 上り33.9
1 2歳新馬 東京 芝1600 1人気 戸崎圭太 1:35.5 上り33.4

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
シャンパンカラーの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ドゥラメンテDuramenteキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファスManfath
アドマイヤグルーヴAdmire GrooveサンデーサイレンスSunday Silence
エアグルーヴAir Groove
メモリアルライフReckless AbandonExchange Rate
Sant Elena
BaldovinaTale of the Cat
バルドウィナBaldwina
STORY

旅程 — この馬の物語

2020年生まれの栗毛の牡馬。父ドゥラメンテ、母メモリアルライフ。主な勝ち鞍はNHKマイルC。

最上級のダイヤ ― 名前とデビュー

シャンパン色に光る栗毛だった。2020年3月3日、社台ファーム生まれ。馬名の意味は「最上級のダイヤモンド」――シャンパンカラーとは、金色を帯びた最高級の色石を指す。馬主・青山洋一の勝負服は、白地に青いダイヤ。名も、服も、その毛色も、ひとつの宝石に重なっていた。 2022年10月29日、東京の芝1600m。戸崎圭太を背に1番人気で新馬戦を制すると、続くベゴニア賞も同じ府中のマイルで勝ち切り、2連勝で2歳の秋を締めくくる。府中のマイルを二度、危なげなく走った栗毛は、静かに期待を集めていた。 だが父は、もうこの世にいなかった。ドゥラメンテ。2015年に皐月賞と日本ダービーの二冠を制し、種牡馬となったこの馬は、2021年8月、急性大腸炎のためわずか9歳で世を去っていた。シャンパンカラーは、早世した二冠馬が遺した産駒の一頭として、ターフに現れた。

内田博幸 ― 大井から来た男

2023年、クラシックの季節が来た。中山の京成杯は6着。そこで鞍上が内田博幸に替わる。ニュージーランドトロフィーを3着に走り、賞金を加算して、栗毛はNHKマイルカップの舞台に滑り込んだ。 内田博幸。1970年、福岡の生まれ。大井競馬場でデビューし、南関東を束ねた地方の雄である。JRAへ移籍したのは2008年。だがその前年、まだ大井に籍を置いたまま騎乗した一頭で、彼は初めて中央のGIを勝っていた。ピンクカメオ。2007年のNHKマイルカップ、17番人気。雨の府中を後方に待機し、直線で大外へ持ち出して差し切った、伝説的な大穴だった。 移籍後の内田は、アパパネの牝馬三冠、ヴィクトワールピサと、大舞台を沸かせた。しかし近年はGIに乗る機会そのものが細り、2018年のフェブラリーステークスを最後に、頂から遠ざかっていた。52歳。かつて雨の府中で穴を開けた男が、もう一度、同じレースのゲートに立っていた。

十六年ぶりの雨 ― NHKマイルカップ

2023年5月7日、東京芝1600m。9番人気。空は泣き、馬場は稍重に沈んだ。NHKマイルカップに雨が戻ったのは16年ぶり――内田がピンクカメオで勝った、あの年以来のことだった。 後方でじっと脚を溜めた。四コーナーの手前から手ごたえは十分。周りを見ながら追い出しを待ち、大外へ持ち出す。直線、内で粘るダノンタッチダウン、外で食い下がるオオバンブルマイをまとめて捉え、なおも伸びてくるウンブライルの追撃をアタマ差だけ抑え込んだ。重賞初制覇を、いきなりGIの大舞台で果たす。 「すごく昔の話になってしまいますけど。こうやって改めてこのレースを勝てたことがすごく幸せです」[^1]。5年ぶりのGI、そして16年ぶり2度目のNHKマイルカップ。二度とも、雨の後方から、大外を回って。同じ男が、同じレースを、同じ景色で勝った。

出典:中日スポーツ/東京中日スポーツ「シャンパンカラーの内田博幸16年ぶりNHKマイル制覇『すごく昔の話になってしまいますけど…』」2023年5月7日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/685565、閲覧日:2026年7月18日。

勝てない道 ― 栄光の後で

頂に立った栗毛を、そこから長い道が待っていた。翌月の安田記念は14着。古馬になると、陣営は距離と路線を探し始める。フェブラリーステークスでダートを試して16着、高松宮記念で1200mに踏み込んで17着、海を渡った香港のチャンピオンズマイルは11着。短くしても延ばしても、あのマイルの手ごたえは戻らなかった。 内田を背に、東京新聞杯を、ダービー卿を、二度目の安田記念を走り続けた。掲示板に載る日はあっても、勝利のゴール板は遠いままだった。19戦3勝。3つの白星のうち2つは2歳の秋にあり、最後の1勝が、あの雨のNHKマイルカップ。以来、勝ち鞍は増えていない。 称号はひとつきり。けれど、GIの一線級と何度でも同じゲートに立ち続けたその足取りは、一度きりの輝きを幻にしなかった。

走り続ける金色

2026年、6歳。鞍上は岩田康誠に替わった。東京新聞杯を4着に走り、中山記念、マイラーズカップ、そして三度目の安田記念へ。相手はいつも、マイル路線の最も硬い顔ぶればかりだ。 最上級のダイヤと名づけられた栗毛は、たった一度、雨の府中で名のとおりの輝きを放った。あの一日を証しとして、金色の馬体はいまも一線で走っている。二度目のその輝きを、まだ誰も見ていない――この先どうなるかは、誰にも分からない。だからこそ、次の一戦へ向かう蹄の音は、静かに続いていく。

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