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カフェオリンポス
通算成績37戦7勝
獲得賞金2億5,008万円
生年月日 2001.01.27(平成13年)毛色 栗毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 9人気 | 柴田善臣 | 1:54.2 | 上り39.5 | — | |
| 11 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 15人気 | 勝浦正樹 | 1:36.1 | 上り36.4 | 映像 | |
| 2 | OPアルデバランS | 京都 ダ1800 | 11人気 | 四位洋文 | 1:49.2 | 上り37.1 | — | |
| 7 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 14人気 | 勝浦正樹 | 1:52.6 | 上り38.2 | — | |
| 16 | OP仁川S | 阪神 ダ2000 | 7人気 | 四位洋文 | 2:07.6 | 上り38.4 | — | |
| 5 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 15人気 | 勝浦正樹 | 1:23.1 | 上り36.1 | — | |
| 16 | GIジャパンカップダート | 東京 ダ2100 | 16人気 | 後藤浩輝 | 2:14.0 | 上り42.8 | 映像 | |
| 6 | GIII東京中日S杯武蔵野S | 東京 ダ1600 | 8人気 | 柴田善臣 | 1:36.1 | 上り35.8 | — | |
| 3 | JpnⅠマイルチャンピオンシップ | 盛岡 ダ1600 | 5人気 | 勝浦正樹 | 1:37.5 | — | — | |
| 8 | OPオアシスS | 東京 ダ1600 | 2人気 | 岩田康誠 | 1:36.7 | 上り36.8 | — | |
| 4 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 15人気 | 岩田康誠 | 1:35.5 | 上り36.0 | 映像 | |
| 15 | GIII平安S | 京都 ダ1800 | 7人気 | 岩田康誠 | 1:52.4 | 上り37.4 | — | |
| 4 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 4人気 | 岩田康誠 | 2:04.4 | 上り38.2 | — | |
| 1 | OPトパーズS | 京都 ダ1800 | 9人気 | 四位洋文 | 1:50.9 | 上り36.3 | — | |
| 11 | OPエニフS | 京都 ダ1400 | 6人気 | 安藤勝己 | 1:24.0 | 上り37.1 | — | |
| 6 | GIIIシリウスS | 中京 ダ1700 | 8人気 | 安藤勝己 | 1:43.9 | 上り37.6 | — | |
| 4 | OPマリーンS | 函館 ダ1700 | 5人気 | 藤岡佑介 | 1:45.7 | 上り38.2 | — | |
| 13 | OP欅S | 東京 ダ1400 | 5人気 | 柴田善臣 | 1:23.9 | 上り36.6 | — | |
| 10 | GIIIアンタレスS | 京都 ダ1800 | 6人気 | 四位洋文 | 1:50.2 | 上り36.9 | — | |
| 1 | OPコーラルS | 阪神 ダ1400 | 4人気 | 岩田康誠 | 1:23.4 | 上り36.3 | — | |
| 2 | OPトパーズS | 京都 ダ1800 | 5人気 | 四位洋文 | 1:50.3 | 上り36.5 | — | |
| 11 | GIII東京中日S杯武蔵野S | 東京 ダ1600 | 11人気 | 四位洋文 | 1:37.4 | 上り39.2 | — | |
| 1 | OP大沼S | 函館 ダ1700 | 6人気 | 四位洋文 | 1:44.0 | 上り36.3 | — | |
| 13 | OPサウジアラビアC | 東京 ダ1600 | 5人気 | 柴田善臣 | 1:37.4 | 上り37.3 | — | |
| 5 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 4人気 | 柴田善臣 | 1:52.8 | 上り38.1 | — | |
| 10 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 9人気 | 柴田善臣 | 1:35.8 | 上り36.6 | 映像 | |
| 5 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 4人気 | 柴田善臣 | 1:24.3 | 上り36.6 | — | |
| 12 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 4人気 | 岡部幸雄 | 2:05.1 | 上り38.8 | — | |
| 2 | OP師走S | 中山 ダ1800 | 2人気 | 柴田善臣 | 1:52.2 | 上り38.5 | — | |
| 1 | GIジャパンダートダービー | 大井 ダ2000 | 3人気 | 柴田善臣 | 2:04.5 | 上り37.3 | — | |
| 4 | GIIIユニコーンS | 東京 ダ1600 | 1人気 | 柴田善臣 | 1:36.6 | 上り36.3 | — | |
| 1 | OPヒヤシンスS | 東京 ダ1600 | 3人気 | 柴田善臣 | 1:37.1 | 上り37.2 | — | |
| 7 | OPクロッカスS | 東京 芝1400 | 2人気 | 柴田善臣 | 1:23.0 | 上り34.5 | — | |
| 1 | 2歳500万下 | 中山 ダ1200 | 1人気 | 柴田善臣 | 1:11.4 | 上り37.0 | — | |
| 2 | 2歳500万下 | 東京 ダ1400 | 1人気 | O.ペリエ | 1:24.7 | 上り37.3 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 新潟 ダ1200 | 1人気 | 村田一誠 | 1:11.9 | 上り37.5 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 新潟 ダ1200 | 2人気 | 柴田善臣 | 1:12.7 | 上り37.0 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父Grand Slam | Gone West | Mr. Prospector |
| Secrettame | ||
| Bright Candles | El Gran Senor | |
| Christmas Bonus | ||
| 母コニャックレディCognac Lady | Olympio | Naskra |
| Carols Christmas | ||
| Carmanetta | Roberto | |
| True Native |
旅程 — この馬の物語
2001年生まれの栗毛の牡馬。父Grand Slam、母コニャックレディ。
名の前についた冠
2001年1月27日、アメリカ・ケンタッキー州のMt. Brilliant Farmで栗毛の牡馬が生まれた。父はGrand Slam。Mr. ProspectorからGone Westを経て伸びた父系である。母はコニャックレディといった。 この母が日本で産んだ仔には、こういう名前が並ぶ。シャラントレディ、アルマニャック、マイネルユニブラン。シャラントはコニャックが造られるフランスの県で、アルマニャックは同じフランスの別のブランデー、ユニブランはコニャックの原料になる白ぶどうの名である。母の名から糸を引くように、弟妹たちの名は決められていた。 この馬だけが、そこから外れている。母の父はOlympio(オリンピオ)という米国産の栗毛だった。オリンポスは、ギリシャで神々が住むとされる山の名である。父方でも母方でもなく、母の父の名のすぐ隣に、この馬の名は置かれた。 もう二文字あった。「カフェ」である。馬主の西川清が1996年に馬主資格を取って以来、所有馬に付けてきた冠名だった。ただしこの馬の場合、その二文字は名の後ろではなく、前にあった。 預かったのは、美浦の松山康久である。東京・府中の生まれ。父は騎手から調教師になった松山吉三郎だった。1983年、松山はミスターシービーで皐月賞と東京優駿と菊花賞を続けて勝ち、中央競馬に三頭目の三冠馬を出す。このとき、史上初めて親子でのダービートレーナーになった。1989年にはウィナーズサークルで東京優駿を、1995年と96年にはジェニュインで皐月賞とマイルチャンピオンシップを勝っている。 そのジェニュイン以来、松山の厩舎からGIの勝ち馬は出ていなかった。
新潟から府中へ
2003年8月16日、新潟のダート1200メートル。デビュー戦の鞍上は柴田善臣だった。2番人気に推され、勝ったパレスエースから0秒1差の2着に終わる。 三週間後、同じ競馬場の同じ距離で未勝利戦を使った。村田一誠が乗り、単勝は1.0倍まで売れている。雨で重くなった砂を1分11秒9で駆け抜け、二着に0秒6の差をつけた。 秋には東京のダート1400メートルで2着、暮れの中山のダート1200メートルで1着。二歳の四戦は、すべてダートの短距離で、すべて一着か二着だった。 柴田善臣は1985年のデビューである。1993年にヤマニンゼファーで安田記念と天皇賞(秋)を勝ち、2000年にはキングヘイローで高松宮記念を勝った。2002年から2004年までは、三年続けて関東のリーディングジョッキーでもある。ただし2001年からこのかた、中央のGIだけが勝てなくなっていた。 年が明けて、陣営は一度だけ芝を試す。1月31日、東京の芝1400メートル、クロッカスステークス。2番人気で7着だった。勝ったのはシーキングザダイヤである。この馬が芝を走ったのは、生涯でこの一回きりになった。 砂に戻すと、答えはすぐ出た。2月22日、東京のヒヤシンスステークス。出走十六頭のうち、いちばん速い終いの脚を使って勝っている。 6月5日、ユニコーンステークス。初めての重賞で、単勝3.2倍の1番人気に支持された。結果は4着。勝ったのはトップオブワールドで、前走のヒヤシンスステークスでこの馬が負かした相手だった。 次に向かったのは、中央ではなく大井だった。
七月八日、大井
木曜日だった。晴れていて、砂は良。十四頭が枠に入る。カフェオリンポスは六枠九番。中央から遠征してきた馬のなかではいちばん買われて、三番人気だった。 一番人気は船橋のアジュディミツオーである。前へ行く馬だ。 ゲートが開くと、そのアジュディミツオーが先頭に立った。柴田は追わなかった。前から五番手か六番手、逃げ馬の背中がまだ見えている位置に、この馬を置いた。 ダートでは、前を走る馬のほうが楽をする。蹴り上げられた砂を浴びないからだ。後ろの馬は、それを顔の正面で受けながら走ることになる。三歳の七月、栗毛の馬はその位置で我慢した。 そして、直線で脚を使った。この日の十四頭のなかで、いちばん速い終いだった。前をつかまえ、抜き、離した。 決勝線を通ったとき、二番目の馬との間は三馬身あった。2分04秒5。 後ろは、そこから詰まっている。二着は松永幹夫のアクイレジア。牝馬でありながら南関東の牡馬三冠を制したロジータの、娘である。その半馬身うしろに大井の的場文男が乗るキョウエイプライド。さらにクビ差のところで、一番人気のアジュディミツオーが四着に沈んでいた。十四頭のうち離れていたのは、先頭の一頭だけだった。 この馬が先頭でゴールを通ったのは、これが四度目である。そして、いちばん大きな一度だった。
二週間
柴田善臣がGI級の競走を勝ったのは、2001年以降でこれが二度目だった。二度とも、中央の芝ではなく地方の砂の上である。松山康久にとってはジェニュインのマイルチャンピオンシップ以来で、そしてこれが、この調教師が管理馬で挙げた最後のGI級の勝利になった。厩舎を閉じるのは、十年後である。 秋を休んで、暮れの中山・師走ステークスは2着。年の最後は大井の東京大賞典で、鞍上が岡部幸雄に替わった。岡部が騎手を辞めるのは、その三か月後になる。結果は12着だった。勝ったのは、七月に四着だったアジュディミツオーである。 四歳になって、柴田が戻ってきた。根岸ステークス5着、フェブラリーステークス10着、マーチステークス5着、サウジアラビアロイヤルカップ13着。四戦して、勝てなかった。 6月25日、函館のダート1700メートル、大沼ステークス。四位洋文に乗り替わって六番人気。二番手から抜け出し、二着に0秒4の差をつけた。ジャパンダートダービー以来、ほぼ一年ぶりの勝利である。 その二週間後、7月9日に西川清が腎不全で亡くなった。六十七歳だった。函館のこの一勝が、西川の持ち馬が生前に挙げた最後の勝ち鞍になる。 名義は息子の西川光一へ移った。黄に黒襷、黒袖。西川清の勝負服である。
二度目のトパーズステークス
秋、半年ぶりの武蔵野ステークスは59キロを背負って11着。11月の京都・トパーズステークスでは、勝ったベラージオとタイム差なしの2着に泣いた。 休養を挟んで、2006年4月1日、阪神のコーラルステークス。四位が別の馬に乗ることになり、鞍上は岩田康誠になった。その年、兵庫の園田から中央へ移ってきたばかりの男である。二番手から抜け出して、六つ目の勝ち鞍を挙げた。 そこからの五戦で掲示板に載ったのは一度だけだった。アンタレスステークス10着、欅ステークス13着、マリーンステークス4着、シリウスステークス6着、エニフステークス11着。五歳の一年が、そうやって過ぎていく。 11月18日、京都。一年前に負けたトパーズステークスである。四位洋文が戻ってきた。九番人気。中団から早めに動いてラッキーブレイクと叩き合い、ハナ差で凌ぎ切った。 これが最後の勝ち鞍になった。五歳の十一月である。 暮れの東京大賞典は四番人気で4着。勝ったブルーコンコルドから0秒9差だった。一番人気のアジュディミツオーは、その一つうしろの五着にいる。二年前にこのレースを逃げ切った馬に、今度は先着した。
十五番人気
2007年1月、京都の平安ステークスは15着だった。次に選んだのが、二月の東京、フェブラリーステークスである。 十六頭立ての十五番人気。単勝は144.1倍まで沈んでいた。馬場は不良まで悪くなっている。 上がり三ハロン——最後の600メートルのことだ——を36秒0で走り、この馬は四着に飛び込んだ。勝ったサンライズバッカスとの差は0秒7。十六頭のうち十五番目にしか支持されなかった六歳馬が、GIの掲示板に載った。 秋は盛岡へ渡った。マイルチャンピオンシップ南部杯。重い砂の1600メートルを走って3着に入る。勝ったのはブルーコンコルドで、前の年の東京大賞典に続いて、この馬の前でゴールを通った。 11月、東京のジャパンカップダート。十六頭立ての十六番人気で、着順も16着。勝ったヴァーミリアンから7秒3離された。上がりは42秒8かかっている。走り切ることだけをした一戦だった。 2008年は脚元に不安が出て、三戦して勝てなかった。根岸ステークス5着、仁川ステークス16着、マーチステークス7着。それで一年が終わる。
三十七回
2009年2月14日、京都のアルデバランステークス。八歳になっていた。十六頭のうち十一番目の人気で、重馬場を走る。勝ったウォータクティクスとの差は、時計の上では無かった。2着である。2006年11月のトパーズステークス以来、二年三か月ぶりに二着以内へ入った。 一週間後のフェブラリーステークスは11着。 3月29日、中山のマーチステークス。鞍上は柴田善臣だった。デビュー戦に跨った男が、最後の一戦にも跨っていたことになる。この日は15着。勝ったのはエスポワールシチーという四歳馬で、これがその馬の初めての重賞勝ちだった。エスポワールシチーは同じ年のうちにかしわ記念とマイルチャンピオンシップ南部杯とジャパンカップダートを勝ち、翌年のフェブラリーステークスも勝つ。砂の主役が入れ替わる日に、この馬は最後のゴールを通った。 翌2010年1月16日付で登録を抹消。茨城県の栗山牧場で種牡馬になり、2012年に北海道・新ひだか町の三石橋本牧場へ移った。2016年3月22日に死んでいる。十五歳だった。 その一年半後、2017年9月10日の水沢競馬場。ダート1600メートルの青藍賞を、チェリーピッカーという四歳の牡馬が勝った。父はカフェオリンポスである。 三十七回、この馬はゲートに入った。競走中止も、出走取消も、失格も一度もない。三十七回とも、自分の脚でゴールを通っている。先頭で通ったのは七回。その最後の一回のあとにも、十三回ゲートは開いた。 大井で先頭に立った夏、背中にいたのは柴田善臣だった。四年八か月あとの中山でも、同じ男が同じ背中にいる。柴田はまだ騎手をやめていない。2026年1月31日には東京で勝ち、自分の持つJRA最年長勝利の記録を五十九歳六か月二日に書き換えた。 この馬が走ったあいだに、馬主の名義は父から息子へ移り、鞍上は十人が務め、厩舎の師は最後のGIを勝ち終えた。変わらなかったのは名前だけである。人の付けた二文字がいつも先に立ち、神々の山の名は、三十七回、そのすぐ後ろを通った。
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