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ブルドッグボス
通算成績45戦14勝
獲得賞金4億698万円
生年月日 2012.04.20(平成24年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ゴールドカップ | 浦和 ダ1400 | 1人気 | 御神本訓史 | 1:26.1 | 上り37.2 | — | |
| 3 | JpnⅠJBCスプリント | 大井 ダ1200 | 3人気 | 御神本訓史 | 1:11.2 | 上り36.1 | 映像 | |
| 2 | JpnⅡ東京盃 | 大井 ダ1200 | 7人気 | 御神本訓史 | 1:10.8 | 上り36.0 | — | |
| 3 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 4人気 | 御神本訓史 | 1:09.0 | 上り34.0 | — | |
| 1 | 浦和スプリントオープ | 浦和 ダ1400 | 1人気 | 御神本訓史 | 1:27.0 | 上り37.8 | — | |
| 2 | JpnⅡさきたま杯 | 浦和 ダ1400 | 2人気 | 御神本訓史 | 1:26.0 | 上り37.6 | — | |
| 4 | JpnⅢ東京スプリント | 大井 ダ1200 | 4人気 | 御神本訓史 | 1:11.6 | 上り36.1 | — | |
| 13 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 13人気 | 和田竜二 | 1:38.3 | 上り38.9 | 映像 | |
| 1 | ゴールドカップ | 浦和 ダ1400 | 2人気 | 御神本訓史 | 1:25.7 | 上り36.5 | — | |
| 1 | JpnⅠJBCスプリント | 浦和 ダ1400 | 6人気 | 御神本訓史 | 1:24.9 | 上り37.4 | 映像 | |
| 2 | JpnⅡ東京盃 | 大井 ダ1200 | 7人気 | 御神本訓史 | 1:11.5 | 上り36.2 | — | |
| 6 | JpnⅢテレ玉杯オーバルスプリント | 浦和 ダ1400 | 6人気 | 御神本訓史 | 1:26.5 | 上り37.8 | — | |
| 5 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 6人気 | 御神本訓史 | 1:09.9 | 上り35.2 | — | |
| 1 | JAバンクよりぞうデ | 門別 ダ1200 | 1人気 | 岩橋勇二 | 1:12.7 | 上り38.9 | — | |
| 6 | JpnⅡさきたま杯 | 浦和 ダ1400 | 6人気 | 左海誠二 | 1:27.9 | 上り39.0 | — | |
| 5 | JpnⅢかきつばた記念 | 名古屋 ダ1400 | 3人気 | 左海誠二 | 1:27.0 | 上り38.0 | — | |
| 5 | JpnⅢ東京スプリント | 大井 ダ1200 | 1人気 | 左海誠二 | 1:12.3 | 上り37.7 | — | |
| 3 | JpnⅢ黒船賞 | 高知 ダ1400 | 2人気 | 岩田康誠 | 1:27.3 | 上り38.3 | — | |
| 5 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 5人気 | 岩田康誠 | 1:22.4 | 上り36.1 | 映像 | |
| 1 | おおとりオープン | 大井 ダ1600 | 1人気 | 左海誠二 | 1:40.1 | 上り37.5 | — | |
| 3 | GIIIカペラS | 中山 ダ1200 | 2人気 | 内田博幸 | 1:11.3 | 上り36.9 | 映像 | |
| 3 | JpnⅠJBCスプリント | 大井 ダ1200 | 3人気 | 内田博幸 | 1:11.4 | 上り36.2 | 映像 | |
| 2 | JpnⅡ東京盃 | 大井 ダ1200 | 3人気 | 左海誠二 | 1:12.2 | 上り36.8 | — | |
| 3 | JpnⅢテレ玉杯オーバルスプリント | 浦和 ダ1400 | 3人気 | 左海誠二 | 1:25.8 | 上り37.1 | — | |
| 1 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 4人気 | 左海誠二 | 1:08.8 | 上り34.1 | — | |
| 3 | 習志野きらっとスプリント | 船橋 ダ1000 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:00.6 | 上り37.3 | — | |
| 5 | OP天王山S | 京都 ダ1200 | 3人気 | 池添謙一 | 1:10.8 | 上り36.1 | — | |
| 9 | OP京葉S | 中山 ダ1200 | 1人気 | 吉田豊 | 1:10.6 | 上り37.1 | — | |
| 1 | OP室町S | 京都 ダ1200 | 1人気 | 岩田康誠 | 1:10.3 | 上り35.2 | — | |
| 5 | OPグリーンチャンネルカップ | 東京 ダ1400 | 2人気 | 内田博幸 | 1:22.6 | 上り36.5 | — | |
| 2 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 1人気 | C.ルメール | 1:09.4 | 上り34.0 | — | |
| 2 | JpnⅢかきつばた記念 | 名古屋 ダ1400 | 3人気 | C.ルメール | 1:27.4 | 上り37.4 | — | |
| 4 | JpnⅢ東京スプリント | 大井 ダ1200 | 2人気 | C.ルメール | 1:12.4 | 上り36.3 | — | |
| 1 | OP千葉S | 中山 ダ1200 | 1人気 | C.ルメール | 1:09.5 | 上り35.4 | — | |
| 1 | OP太秦S | 京都 ダ1200 | 1人気 | M.デムーロ | 1:11.1 | 上り35.9 | — | |
| 3 | OPジャニュアリーS | 中山 ダ1200 | 1人気 | 内田博幸 | 1:11.4 | 上り36.1 | — | |
| 1 | 仲冬S | 中山 ダ1200 | 1人気 | 内田博幸 | 1:10.9 | 上り37.3 | — | |
| 4 | 西陣S | 京都 ダ1200 | 1人気 | R.ムーア | 1:09.9 | 上り35.2 | — | |
| 2 | 北陸S | 新潟 ダ1200 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:11.0 | 上り36.6 | — | |
| 1 | 尾頭橋特別 | 中京 ダ1200 | 1人気 | 幸英明 | 1:11.0 | 上り36.7 | — | |
| 2 | 三宮特別 | 阪神 ダ1200 | 1人気 | 幸英明 | 1:10.8 | 上り36.2 | — | |
| 3 | OP端午S | 京都 ダ1400 | 1人気 | C.ルメール | 1:23.9 | 上り38.0 | — | |
| 1 | オキザリス賞 | 東京 ダ1400 | 1人気 | R.ムーア | 1:25.0 | 上り37.3 | — | |
| 2 | なでしこ賞 | 京都 ダ1400 | 2人気 | 幸英明 | 1:25.2 | 上り36.1 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 京都 ダ1200 | 1人気 | 勝浦正樹 | 1:13.5 | 上り36.8 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ダイワメジャーDaiwa Major | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| スカーレットブーケ | ノーザンテーストNorthern Taste | |
| スカーレットインクScarlet Ink | ||
| 母リファールカンヌ | デインヒルDanehill | Danzig |
| Razyana | ||
| リファールニース | Greinton | |
| バーブスボールドBarb's Bold |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2012年生まれの鹿毛の牡馬。父ダイワメジャー、母リファールカンヌ。
浦河・荻伏の鹿毛 ― 走らなかった母から
2012年4月20日、北海道浦河町荻伏。鮫川啓一牧場に、父ダイワメジャー、母リファールカンヌの鹿毛の牡馬が生まれた。 母は一度も競馬場を走らないまま繁殖に上がった牝馬である。この馬の前に四頭、後に一頭。五頭のきょうだいが競走馬になったが、その獲得賞金は五頭を合わせても八百万円に届かない。血統表の父方にはサンデーサイレンスとノーザンテースト、母方にはデインヒルの名が並ぶ。それでも、この腹から四億円を稼ぐ馬が出ると読むには、手元の材料が足りなかった。 名は、犬の品種名にボスを足してブルドッグボスと決まった。低く構え、噛んだら離さない犬の名である。ディアレストクラブで育成され、栗東の西浦勝一厩舎に入った。 2014年10月19日、京都のダート1200m。1番人気に応え、2着のタマモワカサマに5馬身の差をつけて勝ち上がる。1分13秒5。旅の一歩目は、拍子抜けするほど鮮やかだった。
あと半歩 ― 中央で七勝
連闘で挑んだなでしこ賞は2着、11月のオキザリス賞で2勝目。3歳の夏に中京の尾頭橋特別、暮れに中山の仲冬ステークスを勝ってオープンに上がった。4歳の1月には京都の太秦ステークス、3月には中山の千葉ステークス。秋の室町ステークスで、中央での7勝目を挙げる。 ただ、重賞では届かなかった。初挑戦の東京スプリントは4着。かきつばた記念とクラスターカップは、いずれもルメールを背に2着。勝ち馬の背中を見ながら帰ってくる競馬が続いた。落鉄のあったグリーンチャンネルカップは5着。強いのに、あと半歩。それが中央にいた頃のこの馬の立ち位置だった。 5歳の春、中山の京葉ステークスで9着。掲示板を外したのは、これが初めてだった。続く天王山ステークスも5着。2017年の春、ブルドッグボスはJRAの競走馬登録を抹消される。
浦和の小久保智 ― 五歳の夏に見つけた居場所
移った先は、浦和の小久保智厩舎だった。 転入初戦、船橋の習志野きらっとスプリントは3着。次が盛岡のクラスターカップ、JpnⅢ。左海誠二を背に道中3番手を進み、直線で先に抜け出したラブバレットをゴール寸前で差し切った。1分08秒8。21戦目にして、初めての重賞である。 秋はテレ玉杯オーバルスプリント3着、東京盃2着。11月3日、大井のJBCスプリントJpnⅠで3着に食い込み、暮れの中山ではカペラステークス3着。大晦日の大井、おおとりオープンを勝ってこの年を締めた。 NARグランプリ2017で、ブルドッグボスは4歳以上最優秀牡馬と最優秀短距離馬に選ばれる。中央で「あと半歩」だった馬が、移った先では表彰の側に立っていた。
十三か月 ― そして道営への回り道
6歳の2018年は、東京の根岸ステークス5着で始まった。3月の黒船賞は高知で3着、4月の東京スプリント5着、月末の名古屋・かきつばた記念5着。そして名古屋を最後に、ブルドッグボスは競馬場から姿を消す。次にゲートへ入るのは十三か月後で、その間に7歳になっていた。短い距離の砂を走り続けてきた馬にとって、一年を超える空白は、たいてい終わりの側にある。 2019年5月29日、浦和のさきたま杯。単勝40.8倍の6番人気で6着、勝ち馬から2秒6も離された。復帰の現実は厳しかった。 この後、陣営はひとつの手を打つ。この年の4月から翌年3月まで、小久保の調教師免許は南関東に限って有効とされていた。自厩舎に置いたままでは、盛岡のクラスターカップに送り出せない。ブルドッグボスは、ホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎へ籍を移す。 7月18日、門別。地元の岩橋勇二を背に、1番人気で久々の勝利を挙げた。8月のクラスターカップは5着。役目を終えて、馬は浦和の小久保厩舎へ戻る。この回り道を境に、手綱は左海誠二から御神本訓史に渡った。9月のオーバルスプリントは6着、10月の東京盃で2着に上がってくる。
二〇一九年十一月四日 ― 単勝七十一倍の浦和
その年のJBCは、浦和競馬場で初めて開かれた。JBCスプリントJpnⅠ、ダート1400m、重馬場、12頭立て。ブルドッグボスの単勝は71.0倍、6番人気だった。 御神本は中団のやや後ろに構えた。ペースは速く、1コーナーでさらに上がる。それでも4コーナーでは手応えが残っていた。直線、早めに先頭に立ったコパノキッキングを追う。コパノキッキングの鞍上は藤田菜七子。自身3度目のGI級競走騎乗で、JRAの女性騎手による初のGI級制覇がかかっていた。並んだのはゴール板の上、クビ差である。1分24秒9。 通算36戦目、11勝目。7歳の秋に、この馬はJpnⅠ馬になった。地方所属馬によるこの競走の制覇は、2007年のフジノウェーブ以来2頭目。そのフジノウェーブに乗っていたのも、御神本訓史だった。 「また地方馬で勝てるように頑張ります」[^1]。小久保は、春先に道営で調整してもらい、この日を最大目標にしてきたと明かした。回り道は、遠回りではなかった。 12月25日のゴールドカップでは、逃げ粘るノブワイルドをハナ差で捉えて重賞3勝目。この年のNARグランプリで、ブルドッグボスは年度代表馬に選ばれる。
出典:競馬ラボ「【JBCスプリント】ベテラン・ブルドッグボスがコパノキッキング藤田菜七子騎手競り落とし優勝!」2019年11月5日配信、https://www.keibalab.jp/topics/39006/、閲覧日:2026年7月27日。
五十八キロを背負って ― 八歳の一年
2020年2月23日、東京。フェブラリーステークスに出るため、ブルドッグボスは栗東の加用正厩舎へこの一戦だけ籍を移した。鞍上は、加用厩舎のダート馬で手綱を取ってきた和田竜二。1600mは2017年の大晦日以来で、芝からのスタートは中央にいた頃を含めても初めてだった。JpnⅠ馬の肩書きは13番人気という評価を動かさず、結果も13着に終わる。 2月27日にJRAの登録を抹消し、三たび浦和へ戻った。以後は得意の1200mから1400mへ。ダートグレードでは58kg、59kgを背負わされる。それでも5月のさきたま杯2着、10月の東京盃2着。7月1日の浦和スプリントオープンでは久々に勝った。 連覇のかかったJBCスプリントは、スタートで躓く不利があってサブノジュニアの3着。8歳の砂は、それでも十分に速かった。
四馬身 ― 十二月二十三日の浦和
12月10日、小久保は引退を発表した。12月23日のゴールドカップを最後に走り、2021年からレックススタッドで種牡馬になる。 最終戦の馬体重は543kg。前走から21kg増えていた。それでも1番人気に応え、2着に4馬身の差をつけて連覇する。1分26秒1。45戦目の、14勝目。デビュー戦で5馬身をつけたのと同じように、最後も後ろを離してゴールした。 翌2021年1月8日、浦和競馬場で引退式。1月15日付で競走馬登録を抹消された。中央19戦7勝、地方26戦7勝。獲得賞金4億698万1000円。2歳から8歳まで、七年のあいだ砂を走り続けた馬が積み上げた総額である。
ブルドッグたちが走る
新ひだか町のレックススタッドへ。毎年2月の種牡馬展示会の映像に、この鹿毛は何度も映っている。 やがて仔が走り出した。ブルドッグキング、ブルドッグガール、ブルドッグワイルド、ブルドッグドン、ブルドッグミトス。父の名が、そのまま引き継がれていく。生産者の欄には鮫川啓一の名があり、自分を育てたディアレストクラブの名もある。浦和の小久保智が預かる仔もいる。父が通った道が、そっくり仔の道になっている。 門別、盛岡、水沢、浦和、川崎、大井、船橋、金沢、園田、高知。ブルドッグの名は地方の各地へ散った。美浦と栗東の厩舎にも仔がいる。 そして父はいま、浦河にいる。荻伏の牧場を出て、栗東へ行き、浦和へ移り、道営を回り、盛岡と大井と高知と名古屋の砂を蹴り、四十五回ゲートを出て、生まれた町へ帰ってきた。
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