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ブライアンセンス
通算成績22戦7勝
獲得賞金1億9,320万円
生年月日 2020.03.16(令和2年)毛色 黒鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6 | GIIIアンタレスS | 阪神 ダ1800 | 2人気 | 岩田望来 | 1:51.3 | 上り36.3 | 映像 | |
| 4 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 10人気 | 岩田望来 | 1:35.7 | 上り35.6 | 映像 | |
| 4 | GIIプロキオンS | 京都 ダ1800 | 2人気 | 坂井瑠星 | 1:51.2 | 上り36.4 | 映像 | |
| 1 | L師走S | 中山 ダ1800 | 2人気 | 岩田望来 | 1:51.7 | 上り37.3 | — | |
| 6 | GIIIみやこS | 京都 ダ1800 | 9人気 | 高杉吏麒 | 1:48.7 | 上り37.0 | 映像 | |
| 5 | GIIIシリウスS | 阪神 ダ2000 | 7人気 | 岩田望来 | 2:05.2 | 上り36.9 | 映像 | |
| 6 | GIIIエルムS | 札幌 ダ1700 | 6人気 | 丹内祐次 | 1:44.6 | 上り37.0 | 映像 | |
| 9 | GIII平安S | 京都 ダ1900 | 1人気 | 岩田望来 | 1:58.2 | 上り35.9 | 映像 | |
| 1 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 2人気 | 岩田望来 | 1:51.5 | 上り37.9 | 映像 | |
| 1 | OPアルデバランS | 京都 ダ1900 | 4人気 | 岩田望来 | 1:58.2 | 上り35.9 | — | |
| 4 | OPラジオ日本賞 | 中山 ダ1800 | 4人気 | 斎藤新 | 1:52.4 | 上り37.6 | — | |
| 7 | OP名鉄杯 | 中京 ダ1800 | 1人気 | 岩田望来 | 1:52.6 | 上り38.5 | — | |
| 6 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 1人気 | 横山武史 | 1:51.7 | 上り37.7 | 映像 | |
| 4 | GII東海テレビ杯東海S | 京都 ダ1800 | 5人気 | 岩田望来 | 1:49.7 | 上り35.9 | 映像 | |
| 1 | 花園S | 京都 ダ1800 | 1人気 | J.モレイラ | 1:51.6 | 上り37.0 | — | |
| 1 | 3歳以上2勝クラス | 京都 ダ1800 | 1人気 | J.モレイラ | 1:52.2 | 上り37.4 | — | |
| 3 | 西湖特別 | 東京 ダ1600 | 1人気 | 横山武史 | 1:37.3 | 上り35.7 | — | |
| 3 | GIIIユニコーンS | 東京 ダ1600 | 2人気 | 横山武史 | 1:35.7 | 上り36.2 | 映像 | |
| 1 | 3歳1勝クラス | 東京 ダ1600 | 1人気 | 横山武史 | 1:36.5 | 上り37.0 | — | |
| 2 | 3歳1勝クラス | 東京 ダ1600 | 3人気 | 田辺裕信 | 1:36.7 | 上り37.2 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 中山 ダ1800 | 1人気 | 横山武史 | 1:55.9 | 上り38.4 | — | |
| 3 | 3歳未勝利 | 中山 ダ1800 | 2人気 | 横山武史 | 1:53.8 | 上り37.3 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ホッコータルマエHokko Tarumae | キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo |
| マンファスManfath | ||
| マダムチェロキー | Cherokee Run | |
| アンフォイルドUnfoiled | ||
| 母ヒラボクビジン | ブライアンズタイムBrian's Time | Roberto |
| Kelley's Day | ||
| オリジナルスピンOriginal Spin | Machiavellian | |
| Not Before Time |
旅程 — この馬の物語
2020年生まれの黒鹿毛の牡馬。父ホッコータルマエ、母ヒラボクビジン。主な勝ち鞍はマーチS。
ブライアンの感覚 ― 名前と血
父ホッコータルマエは、GI・JpnIを十勝したダートの王者だった。母ヒラボクビジンの父は、ナリタブライアンやマヤノトップガンを送り出した名種牡馬ブライアンズタイム。ブライアンセンス――その名は、母の父の名に「感覚(センス)」を重ねたものだ。ブライアンの血を、どう走らせるか。名前そのものが、ひとつの問いだった。 血の裏付けは、母の側にあった。母ヒラボクビジンの半弟に、インカンテーションがいる。レパードステークスに始まり、みやこ・平安・武蔵野、白山大賞典まで、ダート重賞を六つ勝った砂の強豪。その一つが、二〇一七年のマーチステークスだった。母の一族は、砂で走る血である。ブライアンセンスは二〇二〇年三月十六日、北海道浦河の谷川牧場に、その血を継いで生まれた。 その年の夏、セレクトセールで二二〇〇万円の値がつき、美浦・斎藤誠厩舎に迎えられた。父は砂の頂点を極めた馬、母系には砂の重賞馬。血の設計図は、はじめからダートを指していた。
横山武史の三歳、モレイラの秋
デビューは二〇二三年三月十二日、中山のダート一八〇〇メートル。鞍上は横山武史。三着に敗れたが、三週間後の未勝利戦を、同じ横山を背にきっちり勝ち上がった。三歳の春、東京のダート一六〇〇メートルでもう一勝を積み、六月にはユニコーンステークスへ。重賞初挑戦を二番人気で迎え、三着に食い込む。砂の中距離で、確かに戦えるものを持っていた。 秋初戦の西湖特別は、横山を背に一番人気で三着に取りこぼした。そこで鞍上がモレイラに替わると、京都の二勝クラス、続く花園ステークスを、いずれも一番人気で連勝する。三歳を終えて四勝。世代の上位を狙える器に見えていた。
一番人気という重さ
明けて二〇二四年、ブライアンセンスは壁にぶつかる。一月の東海ステークスはGIIで四着。三月、中山のマーチステークスに一番人気で臨んだが、六着に沈んだ。夏の名鉄杯もまた一番人気で七着。期待を背負うほど、伸びを欠いた。 人気に応えられない馬、という影が差しはじめていた。評価と結果の噛み合わない時間は、一年近く続く。良血で、確かな下地はある。それでも、ここぞの一戦で前をつかまえきれない。三歳の秋に見えた器が、幻だったのかどうか――答えの出ないまま、季節が過ぎていった。
岩田望来と、マーチの雪辱
転機は、二〇二五年に訪れた。手綱が岩田望来に固まると、二月の京都、アルデバランステークスを四番人気で制し、一年三か月ぶりの勝利をあげる。そして三月三十日、中山のマーチステークス――前年に一番人気で六着に敗れた、まさにその舞台へ、今度は二番人気で戻ってきた。 先団の後ろでじっと脚をため、直線で伸びる。ゴール寸前、粘るマテンロウスカイを捉え切って、初めての重賞のタイトルを掴んだ。一番人気で敗れた場所を、一年後、印の一つ下がった立場で勝ち切る。期待に潰れ続けた馬の、静かな反転だった。 この一勝には、もう一つの意味があった。父ホッコータルマエにとって、産駒がJRAの重賞を勝ったのは、これが初めて。砂の王者は、我が子の初重賞を、ダートのマーチステークスで受け取った。そして八年前、同じマーチステークスの勝ち馬に名を刻んでいたのが、母の半弟インカンテーションだった。砂で重賞を六つ勝った叔父と、その甥。中山ダート一八〇〇メートルという同じ地点に、一族の名がもう一度並んだ。
師走の頭差、そしてGIへ
重賞を勝っても、ブライアンセンスは平坦な馬ではなかった。五月の平安ステークスは一番人気で九着。夏から秋にかけてのエルム、シリウス、みやこと、重賞では際どく足りない競馬が続く。それでも十二月、中山の師走ステークスで、モンブランミノルとの叩き合いをアタマ差だけ抜け出した。混戦をねじ伏せる、勝負根性の一勝だった。 二〇二六年、六歳。ブライアンセンスは初めてのGIの舞台に立つ。二月のフェブラリーステークス、十番人気という下馬評を覆し、勝ったシックスペンスには届かないまでも四着。人気の外から、いちばん大きな舞台の掲示板に食い込んでいた。 派手な連勝も、世代を代表する称号もない。人気に応えられず、それでも人気の外で走る馬だった。ブライアンの感覚と名づけられた黒鹿毛は、砂の一族の血を確かに継いで、いまも走っている。次の一戦を、静かに待てばいい。
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