名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
HORSES

名馬録

この世代(生まれ年)

スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。

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ブルーコンコルドのイメージビジュアル
ブルーコンコルドBlue Concorde
Blue Concorde

ブルーコンコルド

通算成績50戦15勝

獲得賞金97,780万円

生年月日 2000.04.11(平成12年)毛色 鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ブルーコンコルドの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
8 JpnⅠJBCクラシック 名古屋 ダ1900 5人気 幸英明 2:04.1 上り40.4映像
5 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 3人気 幸英明 1:37.4
4 JpnⅠ川崎記念 川崎 ダ2100 4人気 幸英明 2:14.5 上り37.6
4 GI東京大賞典 大井 ダ2000 6人気 幸英明 2:05.4 上り35.6
5 GIジャパンカップダート 阪神 ダ1800 11人気 幸英明 1:49.6 上り36.6映像
4 JpnⅠJBCスプリント 園田 ダ1400 1人気 幸英明 1:26.5 上り37.2映像
1 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 2人気 幸英明 1:37.3
2 JpnⅠかしわ記念 船橋 ダ1600 1人気 幸英明 1:37.8 上り37.6
2 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 7人気 幸英明 1:35.6 上り36.2映像
5 GI東京大賞典 大井 ダ2000 3人気 幸英明 2:05.0 上り37.9
7 GIジャパンカップダート 東京 ダ2100 10人気 幸英明 2:08.2 上り38.3映像
4 JpnⅠJBCクラシック 大井 ダ2000 1人気 幸英明 2:05.8 上り38.5映像
1 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 2人気 幸英明 1:36.8
2 JpnⅠ帝王賞 大井 ダ2000 1人気 幸英明 2:04.5 上り37.4
1 JpnⅠかしわ記念 船橋 ダ1600 1人気 幸英明 1:37.4 上り36.3
3 JpnⅢ名古屋大賞典 名古屋 ダ1900 1人気 幸英明 2:04.7
2 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 2人気 幸英明 1:35.0 上り35.0映像
1 GI東京大賞典 大井 ダ2000 3人気 幸英明 2:03.5 上り37.3
9 GIジャパンカップダート 東京 ダ2100 2人気 幸英明 2:09.5 上り36.9映像
1 GIJBCマイル 川崎 ダ1600 1人気 幸英明 1:39.6 上り38.4
1 GIマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 2人気 幸英明 1:36.6
2 GIかしわ記念 船橋 ダ1600 2人気 幸英明 1:38.9 上り37.6
1 GIII黒船賞 高知 ダ1400 1人気 幸英明 1:28.4 上り38.0
4 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 4人気 幸英明 1:35.6 上り36.7映像
5 GIIIガーネットS 中山 ダ1200 1人気 幸英明 1:10.9 上り36.8
1 GIJBCスプリント 名古屋 ダ1400 1人気 幸英明 1:25.3 上り36.8映像
1 GIIIシリウスS 阪神 ダ1400 1人気 幸英明 1:23.9 上り37.1
1 GIIIプロキオンS 阪神 ダ1400 1人気 幸英明 1:21.9 上り35.5
1 OP栗東S 京都 ダ1200 1人気 幸英明 1:09.9 上り35.5
2 OP京葉S 中山 ダ1200 3人気 幸英明 1:10.3 上り36.1
1 OPギャラクシーS 阪神 ダ1400 5人気 幸英明 1:22.9 上り36.5
9 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 7人気 村田一誠 1:36.1 上り37.2
8 GIIIプロキオンS 阪神 ダ1400 5人気 蛯名正義 1:23.3 上り36.0
8 OP欅S 東京 ダ1400 5人気 蛯名正義 1:23.7 上り35.9
5 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 10人気 松永幹夫 1:37.1 上り35.4映像
8 GIII根岸S 東京 ダ1400 1人気 松永幹夫 1:24.7 上り37.4
2 GIIIガーネットS 中山 ダ1200 2人気 松永幹夫 1:11.5 上り38.5
8 OPギャラクシーS 阪神 ダ1400 1人気 松永幹夫 1:24.0 上り37.4
1 OP霜月S 東京 ダ1400 6人気 二本柳壮 1:23.5 上り35.4
11 GII毎日放送賞スワンS 京都 芝1400 13人気 池添謙一 1:21.3 上り35.1
7 OPポートアイランドS 阪神 芝1600 8人気 秋山真一郎 1:34.9 上り33.8
10 GIIIセントウルS 阪神 芝1200 8人気 秋山真一郎 1:09.0 上り34.5
14 GIII新潟記念 新潟 芝2000 11人気 秋山真一郎 2:00.2 上り35.4
13 GI皐月賞 中山 芝2000 11人気 秋山真一郎 2:02.6 上り35.4映像
4 GIIフジTVスプリングS 中山 芝1800 6人気 秋山真一郎 1:48.9 上り34.9映像
1 GII京王杯2歳S 中山 芝1200 2人気 秋山真一郎 1:09.4 上り35.5
5 GIIデイリー杯2歳S 京都 芝1600 6人気 柴田善臣 1:34.9 上り35.2
2 GIII小倉2歳S 小倉 芝1200 5人気 秋山真一郎 1:09.8 上り36.4
1 2歳新馬 小倉 芝1200 1人気 池添謙一 1:09.4 上り36.0
2 2歳新馬 小倉 芝1000 1人気 池添謙一 0:57.8 上り35.3

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ブルーコンコルドの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
フサイチコンコルドCaerleonNijinsky
Foreseer
バレークイーンBallet QueenSadler's Wells
Sun Princess
エビスファミリーブライアンズタイムBrian's TimeRoberto
Kelley's Day
エビスベローチエヴェンチア
ヤマユリ
STORY

旅程 — この馬の物語

2000年生まれの鹿毛の牡馬。父フサイチコンコルド、母エビスファミリー。主な勝ち鞍は東京大賞典競走・京王杯2歳S・プロキオンS。

小倉の千メートル

2000年4月11日、北海道新冠町の川上悦夫のもとで、鹿毛の牡馬が生まれた。 父はフサイチコンコルド。1996年の東京優駿を、生涯三戦目で勝った馬である。母はエビスファミリーといい、その父はブライアンズタイムだった。父の名の後ろ半分が、そのままこの仔の名の後ろ半分になっている。前に付いた二文字のほうは、のちにこの馬を持つ法人の名へ引き継がれる。 一人の馬主が買ったのではない。荻伏レーシング・クラブが五百口に分けて会員を募った。一口五万四百円、募集価格は2520万円である。数百人で少しずつ持つ馬として、栗東の服部利之の厩舎に入った。 2002年の夏、服部は小倉の芝1200メートルでデビューさせるつもりでいた。乗る予定の池添謙一が、1000メートルのほうがいいと言った。厩舎はその進言を採る。 7月13日、小倉、芝1000メートル。単勝2.1倍の1番人気に推されたが、競り負けて2着に終わった。三週間後、同じ小倉の芝1200メートルで折り返しの新馬戦に出る。今度は後続を五馬身突き放して逃げ切った。 9月の小倉2歳ステークスはハナ差の2着。三着はそこから三馬身も後ろにいた。10月のデイリー杯2歳ステークスは5着。そして11月9日、京王杯2歳ステークス。東京競馬場の改修工事のため、この年は中山の芝1200メートルに条件が変わっていた。九頭立ての最内枠から、2番人気の支持に応えて先頭でゴールを通る。二歳の秋に、もう重賞をひとつ持っていた。 次は朝日杯フューチュリティステークスへ向かうはずだった。挫石が出て、放牧に出される。翌春のクラシックに備える、という理由が添えられていた。

弾かれた春

2003年3月23日、中山の芝1800メートル、スプリングステークス。6番人気で、最後の600メートル――上がり三ハロンという――を34秒9で使い、4着まで押し上げた。勝ったのはネオユニヴァースである。 四週間後の皐月賞。十八頭立ての11番人気だった。レースの途中で他馬に弾かれ、肉離れを起こす。13着。勝ったのは、またネオユニヴァースだった。 クラシックは諦め、二度目の放牧に出た。戻ってからは芝の距離をひととおり試している。新潟記念14着、セントウルステークス10着、ポートアイランドステークス7着、スワンステークス11着。春から数えて六つ、勝てないまま秋が終わろうとしていた。 ずっと先の話になる。母エビスファミリーはこの仔のあと、キングカメハメハとの間にジョウノファミリーという牝馬を産んだ。その娘ライジングリーズンが2017年のフェアリーステークスを勝ち、もう一頭の娘マオリオが産んだビーアストニッシドが2022年、中山のスプリングステークスを勝つ。マオリオの父はネオユニヴァースである。三歳の春に二度先着を許した相手の血は、のちに母方からこの一族へ入ってきた。 そのころの陣営には、まだ試していない条件がひとつ残っていた。

十一月二十三日、東京、ダート1400メートル

霜月ステークス。生涯で初めての砂だった。六番人気で、鞍上は二本柳壮。馬場は稍重と掲示されている。 1分23秒5。二着に0秒4をつけ、そのコースの記録を書き換えていた。芝で六つ負け続けた馬が、初めて脚を置いた砂で、いきなり時計を塗り替えたことになる。 だが、そこからがまた長かった。十二月のギャラクシーステークスは1番人気で8着。年が明けても勝てない。ガーネットステークス2着、根岸ステークスは1番人気で8着、フェブラリーステークス5着、欅ステークス8着、プロキオンステークス8着、武蔵野ステークス9着。鞍上は松永幹夫から蛯名正義へ、蛯名正義から村田一誠へと移った。砂に来ても、また七つ続けて負けた。 2004年12月11日、阪神のギャラクシーステークス。五番人気。この日、初めて幸英明が跨った。 横浜に生まれ、鹿児島県鹿屋市で育った男である。体が小さいからと勧められて中学三年で騎手を志し、1994年に免許を取った。前の年にはスティルインラブで牝馬の三冠を勝っている。 ダート1400メートルを1分22秒9。勝った。 これが二度目の転機になる。この日から引退までの三十一戦、この馬の背に別の男が乗ることはなかった。

五歳の一年と、六歳の春

2005年、五歳。四月の京葉ステークスで2着に来て、五月の栗東ステークスを勝った。京都のダート1200メートルを1分9秒9である。 6月19日、阪神のプロキオンステークス。1番人気に応え、二着に二馬身半をつけた。ダートの重賞は、これが初めてだった。10月2日のシリウスステークスは58キロを背負って差し切っている。 11月3日、名古屋。JBCスプリント。ダート1400メートル、十二頭立て。相手には、その年の2月にフェブラリーステークスを勝ったメイショウボーラーがいて、アグネスジェダイもいた。それでも単勝の一番人気はこの馬だった。 道中は中団。三コーナーから外を回って一気に押し上げ、四コーナーで先頭に立つ。直線ではそこからさらに離した。二着との差は五馬身あった。 服部利之にとっては、これが最初の最上級である。父の服部正利の厩舎で厩務員として働きはじめ、調教助手を十四年務め、1999年に自分の厩舎を開いた。翌年には小倉記念を勝ち、父が1975年に勝った同じ競走を親子で獲っている。それでも、GIと名の付く競走を勝ったのは開業七年目のこの日が最初だった。荻伏レーシング・クラブにとっても、父フサイチコンコルドの産駒としても、最初の一勝になる。 明けて2006年。ガーネットステークスは1番人気で5着、フェブラリーステークスは4着。3月20日、高知の黒船賞を二着に六馬身つけて勝ち、5月5日の船橋・かしわ記念では、逃げるアジュディミツオーを捉えきれずに2着だった。 このころ、この馬には但し書きが付いていた。1400メートルを超えると勝てない。

盛岡の千六百

2006年10月9日、盛岡。ダート1600メートル。 但し書きは、まだ生きている。マイルを勝ったことが一度もないという理由で、単勝の支持は二番手にとどまっていた。 ゲートが開く。幸は好位に取り付けた。前でもなく、後ろでもない。届く位置である。 道中は、そこから動かさなかった。うまく運べている、と言ってよい流れだった。 四コーナーを回り、直線を向く。 前が、開いていない。 外へ持ち出す余地はなく、内に潜る隙もなかった。決勝線までの距離だけが減っていく。走る力は残っているのに、それを出す場所がない。 残っていたのは、馬と馬のあいだだけだった。 そこへ入れた。 割って出る。加速が始まったのは、そこからである。決勝線までは、もういくらもない。 クビ差だった。 但し書きが消えた。この馬は、マイルでも勝てる馬だった。

川崎の夜と、大井の暮れ

11月2日、川崎。この年のJBCは川崎競馬場で行われ、コースの都合から、スプリントの代わりに1600メートルのJBCマイルが組まれていた。ナイターの下を走るのは初めてだった。 後方から入り、向正面から三、四コーナーにかけてじりじりと押し上げる。直線では鋭く伸び、二着に二馬身をつけた。前の年の名古屋と合わせて、JBCの短距離部門を二年続けて勝った馬は、これが初めてだった。 次は暮れの兵庫ゴールドトロフィーが予定されていた。そこへ幸が、2100メートルでも大丈夫だと言った。ジャパンカップダートである。それまで勝ったいちばん長い距離から、さらに500メートル伸びることになる。馬の状態も良かったので、陣営はその進言を採った。 11月25日、東京。2番人気。中団から直線で追い出したが、ここでもまた前をふさがれ、9着に終わった。 陣営はそれで納得しなかった。次は12月29日、大井の東京大賞典。ダート2000メートルである。この一戦の前、幸はJRAの開催日にもかかわらず、この馬の追い切りに乗っている。 三番人気だった。先行したのはシーキングザダイヤとアジュディミツオー。この馬は後ろから追い、直線で二頭ともまとめて捉えた。2分3秒5。最上級の四つ目である。 翌年、2006年度のダートグレード競走最優秀馬に選ばれた。NARグランプリでは特別表彰馬になっている。

七歳、八歳、九歳

2007年のフェブラリーステークスは、三、四コーナーでもたれた。立て直すのに手間取り、直線で猛然と追ったが、先に抜け出したサンライズバッカスに届かず2着。 3月の名古屋大賞典は59キロを背負い、一周目のスタンド前から掛かってしまって3着だった。 5月2日、船橋のかしわ記念。前走の反省から、今度は最初から前へ行く。四番手の内で我慢し、三コーナーの手前で動きはじめ、直線で逃げるアジュディミツオーを内から交わして突き放した。1番人気に応え、これが最上級の五つ目になった。前の年にこの競走で先着を許した相手を、同じ舞台で負かしたことになる。 6月27日の帝王賞は、単勝の支持がこの馬に集中した。直線で先頭に並びかけたところへ、内からボンネビルレコードが伸びてくる。決勝線を過ぎたときには一馬身半あった。2着である。 7月11日、所有名義が荻伏レーシング・クラブからブルーマネジメントへ移った。 秋、また盛岡へ行った。今度は道中を二番手で進め、直線に向くと早めに先頭へ出て、ワイルドワンダーの追撃を振り切る。マイルチャンピオンシップ南部杯、連覇。以後はJBCクラシック4着、ジャパンカップダート7着、東京大賞典5着。七歳の一年は、そうやって閉じた。 2008年もフェブラリーステークスから始めた。直線でしぶとく伸びたが、ヴァーミリアンに1馬身3/4届かず2着。5月のかしわ記念も、ボンネビルレコードの2着だった。 夏を休んで、10月13日、三度目の盛岡である。四コーナーの手前で先頭に立ったのはメイショウバトラーで、この馬はそれを追った。決勝線の手前で捉えた。 この競走を三年続けて勝った馬は、これが初めてだった。そしてこの一勝で、日本のダートの最上級競走を七つ勝ったことになる。それまでの最多はアドマイヤドンの六だった。八歳の秋の話である。 続くJBCスプリントは1番人気で4着、ジャパンカップダート5着、東京大賞典4着。 2009年は三度ゲートに入った。1月の川崎記念4着、10月の南部杯5着、11月3日、名古屋のJBCクラシックで8着。四年続けて出た盛岡のマイルも、この年は勝てなかった。 11月5日、引退が発表される。7日付で登録が抹消された。

新冠

50戦して15勝、うち重賞は11。15勝のうちの12と、最上級の七つのすべてが、幸英明の乗った最後の31戦のなかにある。芝で六つ続けて負け、砂に移ってからも七つ続けて負けていた馬に、この男は四歳の暮れに出会った。以後、鞍上が替わることはなかった。 服部利之は2023年7月28日に亡くなった。六十五歳。1999年に厩舎を開き、最後まで現役の調教師だった。二十四年のあいだ、管理馬で最上級の競走を勝ったのは、この一頭きりである。数のうえでは、たった一頭。その一頭が、七つ運んできた。幸は「厳しいところもありましたが、普段は本当に優しい方」[^1]と、その人を悼んだ。幸自身は、いまも騎手を続けている。 引退した馬は、北海道新冠町のハントバレートレーニングファームへ行き、乗馬になった。生まれたのも、同じ新冠町である。2016年4月30日から足腰が弱って起き上がれなくなり、5月2日の午前9時半ごろ、眠るように息を引き取った。蹄葉炎だった。十六歳。 その前日に口にしたのは、水と、バナナだったという。

出典:中日スポーツ「服部調教師が病気のため死去、ブルーコンコルドやセイクリムズンなどを管理、JRA通算209勝、地方29勝」2023年7月29日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/738583、閲覧日:2026年8月2日。

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