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ブラックチャリス
通算成績6戦3勝
獲得賞金8,589万円
生年月日 2023.04.18(令和5年)毛色 鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | OP青函S | 函館 芝1200 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:08.4 | 上り34.1 | — | |
| 15 | GI桜花賞 | 阪神 芝1600 | 10人気 | 津村明秀 | 1:33.5 | 上り35.8 | 映像 | |
| 1 | GIIIフェアリーS | 中山 芝1600 | 5人気 | 津村明秀 | 1:33.6 | 上り35.1 | 映像 | |
| 4 | GIIIKBSファンタジーS | 京都 芝1400 | 2人気 | 浜中俊 | 1:21.0 | 上り33.8 | 映像 | |
| 2 | GIII函館2歳S | 函館 芝1200 | 1人気 | 浜中俊 | 1:08.7 | 上り34.1 | 映像 | |
| 1 | 2歳新馬 | 函館 芝1200 | 3人気 | 浜中俊 | 1:08.2 | 上り34.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父キタサンブラックKitasan Black | ブラックタイド | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | ||
| シュガーハート | サクラバクシンオーSakura Bakushin O | |
| オトメゴコロ | ||
| 母ゴールドチャリス | トゥザワールド | キングカメハメハKing Kamehameha |
| トゥザヴィクトリー | ||
| シルバーチャリス | Rainbow Quest | |
| シルバーレーンSilver Lane |
旅程 — この馬の物語
2023年生まれの鹿毛の牝馬。父キタサンブラック、母ゴールドチャリス。主な勝ち鞍はフェアリーS。
黒と金の器 ― 名と血の約束
馬名は、二頭の記憶を一字ずつ継いでいる。 父キタサンブラックの「ブラック」、母ゴールドチャリスの「チャリス」。英語で chalice とは聖杯のことだ。金の杯を手渡された娘が、黒い鬣を風にはためかせて走る――そういう命名だった。 母ゴールドチャリスは2018年生まれ。父トゥザワールド、母シルバーチャリス(アイルランド産)という血を引き、武幸四郎厩舎、馬主フィールドレーシングのもとで競走馬生活を送った。手綱を任されたのは浜中俊。2020年12月、中京の芝1200mで行われたスポーツ報知杯中京2歳ステークスを、浜中を背に制した。重賞のタイトルを母は手にした。しかしその先、GIの壁は厚く、NHKマイルCは16着に終わる。「金の杯」は手の届くところに見えながら、勝者の唇には触れなかった。 その仔が、同じ武幸四郎厩舎、同じフィールドレーシング、そして同じ浜中俊の手のなかで育てられた。北海道安平町、ノーザンファーム。2023年4月18日の産声だった。
函館の夏と、冬の中山 ― 聖杯をつかむまで
2025年6月21日、函館芝1200m。デビュー戦で、ブラックチャリスは1分8秒2のコースレコードをたたき出した。3番人気での出走、着差は3馬身。浜中俊は馬を降りながら言った。「お母さんに姿形、走り方が似ている。競馬に行っていいだろうなという感じだったが、それにしても強いレースでしたね」[^1]。前週に別の2歳馬が作ったレコードを、わずか1週間で0秒2更新した。 1か月後の函館2歳ステークスでは1番人気(2.1倍)に推されたが、スタート後に少々ゴチャつき、エイシンディードに2馬身差をつけられて2着。浜中は「勝った馬が強かったです」と短く振り返った。秋、ファンタジーステークス(京都芝1400m)では2番人気に推されたが、レース中に右前脚の落鉄が起き、4着に終わる。手応えはあったはずの直線で、末脚は伸び切れなかった。 年が明けた2026年1月11日、フェアリーステークス(中山芝1600m)。手綱は津村明秀に替わった。距離は1200mから1400m、そして今度は初めての1600m――初めての中山輸送も重なる。5番人気。武幸四郎調教師はレース前に「距離とか、輸送とか、初めてのことが多いですので、それが結果にどう出るかだと思います」[^2]と、慎重な言葉を選んでいた。 好スタートから5番手。最初のコーナーで内めにもぐり込み、折り合いをつける。4角を手応え十分に回ると、直線は馬場の三分どころへ進路を取った。最後は粘り込みをはかるビッグカレンルーフをクビ差で捉え、ゴールへ。3連単は89万9080円の大波乱だった。 津村明秀はマイクを向けられて「最高ですね」と言った。「中山マイルはピンク帽子だと結構不利なのですが、この馬の持ち味のスピードで最初に良い位置につけられた。最初のコーナーで良いところを取れて、すぐに折り合いをつけられたところが勝因だと思います」。そして付け加えた。「マイルは正直ギリギリだと思います。もっとスタミナがついてくれば、また変わってくるかもしれません」[^3]。 母が届かなかった重賞を、娘が制した瞬間だった。
出典:スポニチアネックス「函館新馬戦 浜中俊騎手コメント」2025年6月21日配信、閲覧日:2026年6月25日。/ラジオNIKKEI 2026年1月配信、閲覧日:2026年6月25日。/東京スポーツ「フェアリーステークス 津村明秀騎手コメント」2026年1月11日配信、閲覧日:2026年6月25日。
桜の先へ
4月12日、桜花賞(阪神芝1600m)。10番人気でゲートに入ったブラックチャリスは、向こう正面で他馬との接触不利を受け、外枠のロスも重なり、直線で後退して15着に沈んだ。春のクラシックは、問いを残したまま終わった。 5戦2勝。函館の夏にレコードで駆け抜けた2歳から、中山の冬に重賞を掴み取るまで、ブラックチャリスは母と同じ厩舎・同じ馬主のもとで走ってきた。スプリントの切れ味を持ちながら、マイルで力をつけてきた牝馬が、次にどの舞台に現れるか。
函館に還る ― 2026年青函ステークス
桜花賞のあと、ブラックチャリスは舞台を戻した。距離をマイルから1200mへ、場所を――彼女がデビュー戦でコースレコードを刻んだ、あの函館へ。 2026年6月27日、青函ステークス(オープン)、函館・芝1200m。3歳以上のハンデ戦で、初めて古馬と相まみえる一戦だった。3歳牝馬の斤量は53kg。1番人気。手綱は吉田隼人に替わった。 好スタートから2番手。速いペースを追いかけ、直線で内のアメリカンステージを競り落とす。外からはナムラクララが強襲してくる。坂のない函館の直線で、ブラックチャリスは最後まで頭を下げ続けた。ハナ差。稍重の馬場に1分08秒4を刻んで、古馬相手の初対戦を勝ち切った。 吉田隼人は、3歳牝馬の53kgという軽ハンデが大きかったと振り返りつつ、1200mにも対応はできるが本質的にはもう少し長い距離が合うのではないか、と語った。 母が届かなかった重賞を娘が掴んだ中山の冬から半年、聖杯をいちど手にした娘は、自分が初めて勝った函館へ還り、今度は年上たちを相手に同じ1200mを制した。次に唇をつける一杯が短いのか長いのか――答えはまだ、彼女自身の脚の中にある。
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