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オールナット
通算成績15戦5勝
獲得賞金1億523万円
生年月日 2021.02.17(令和3年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15 | GIII七夕賞 | 福島 芝2000 | 12人気 | 西村淳也 | 2:01.1 | 上り38.1 | 映像 | |
| 13 | GII日経新春杯 | 京都 芝2400 | 7人気 | 西村淳也 | 2:27.2 | 上り34.9 | 映像 | |
| 10 | GIII鳴尾記念 | 阪神 芝1800 | 4人気 | 北村友一 | 1:44.7 | 上り34.6 | 映像 | |
| 1 | GIIIチャレンジカップ | 阪神 芝2000 | 2人気 | J.モレイラ | 1:58.0 | 上り34.5 | 映像 | |
| 6 | GIII新潟大賞典 | 新潟 芝2000 | 4人気 | 北村友一 | 2:01.2 | 上り34.9 | 映像 | |
| 3 | L大阪城S | 阪神 芝1800 | 2人気 | 北村友一 | 1:45.1 | 上り33.5 | — | |
| 9 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 5人気 | 北村友一 | 1:33.3 | 上り34.4 | 映像 | |
| 1 | 嵯峨野S | 京都 芝1800 | 3人気 | 北村友一 | 1:45.9 | 上り33.4 | — | |
| 1 | 3歳以上2勝クラス | 京都 芝1800 | 2人気 | 北村友一 | 1:45.3 | 上り33.7 | — | |
| 4 | 横津岳特別 | 函館 芝2600 | 1人気 | 北村友一 | 2:45.7 | 上り37.2 | — | |
| 1 | 3歳以上1勝クラス | 函館 芝2600 | 1人気 | 北村友一 | 2:39.8 | 上り36.8 | — | |
| 2 | 大寒桜賞 | 中京 芝2200 | 3人気 | B.ムルザバエフ | 2:17.7 | 上り35.4 | — | |
| 3 | あすなろ賞 | 小倉 芝2000 | 2人気 | 北村友一 | 2:02.3 | 上り34.5 | — | |
| 7 | GIII京都2歳S | 京都 芝2000 | 6人気 | 北村友一 | 2:00.4 | 上り36.3 | 映像 | |
| 1 | 2歳新馬 | 京都 芝2000 | 2人気 | 北村友一 | 2:05.5 | 上り34.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父サトノダイヤモンドSatono Diamond | ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンス |
| ウインドインハーヘア | ||
| マルペンサ | Orpen | |
| Marsella | ||
| 母キューティゴールド | フレンチデピュティ | Deputy Minister |
| Mitterand | ||
| ゴールデンサッシュ | ディクタス | |
| ダイナサッシュ |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの鹿毛の牡馬。父サトノダイヤモンド、母キューティゴールド。主な勝ち鞍はチャレンジカップ。
黄いろのダイヤ ― 名前と血
世に、鮮やかな黄金色に輝くダイヤモンドがある。101カラット余りの黄のダイヤ――その名を「オールナット」という。かつてこれを手に入れた英国の実業家にして美術収集家、アルフレッド・アーネスト・オールナット少佐の名を、宝石はいまも冠している。少佐自身が競走馬の馬主でもあったというのだから、名前の巡り合わせは面白い。 父サトノダイヤモンド、母キューティゴールド。ダイヤと、金。二つの名を掛け合わせれば、おのずと黄いろのダイヤが立ちのぼる。2021年2月17日に生まれた鹿毛の牡馬は、その連想から名を授かった。 背負ったのは、名だけではなかった。父サトノダイヤモンドは2016年の菊花賞と有馬記念を制したディープインパクト産駒。母キューティゴールドは、オルフェーヴルやゴールドシップを送り出した名種牡馬ステイゴールドの半妹にあたる。半姉には、秋華賞とジャパンカップを勝った女傑ショウナンパンドラ。三代母はノーザンテーストの牝馬ダイナサッシュへと遡る。血の格は、申し分がなかった。 管理するのは栗東の高野友和、馬主はシルクレーシング。だが黄金の名と黄金の血を負ったこの馬の旅は、きらびやかな最短距離ではなく、一段ずつの長い階段から始まることになる。
京都の新馬 ― 北村友一と歩き出す
2023年10月9日、京都の芝2000m。2歳新馬。鞍上は北村友一。2番人気に応え、上がり34秒4の脚で抜け出して、まずは順当に勝ち上がった。 この日から、北村友一という騎手が、オールナットのほとんどの道のりに寄り添うことになる。新馬、そしてこの先の条件戦で挙げる勝ち鞍――四つの白星は、いずれもこの手綱が引き出したものだ。だが、血の格がそのまま結果になるほど、競馬は甘くない。続く京都2歳ステークス、初めての重賞では6番人気で7着。良血の看板は、まだ重賞の舞台では通じなかった。長い階段の、これが一段目だった。
階段を、一段ずつ ― 条件戦の日々
2024年、オールナットは条件戦を一段ずつ登っていく。2月のあすなろ賞は3着、3月の大寒桜賞は2着。勝ち切れないまま、それでも掲示板を外さない。初夏の函館では芝2600mの長丁場で1勝クラスを制し、秋の京都で2勝クラスを、暮れの嵯峨野ステークスで3勝クラスを勝ち、オープンの扉まで自力でこじ開けた。1勝から3勝までの三つの白星は、すべて北村友一とのコンビだった。 派手さはない。掲示板の常連ではあっても、名前ほどの華々しさはまとえなかった。だが、下級条件から一つずつ足場を固めて上がっていくその歩みには、良血が地力へと変わっていく確かな手応えがあった。急がず、着実に。黄いろのダイヤは、まだ原石のまま磨かれ続けていた。
重賞の壁 ― 二〇二五年の春
明けて2025年、舞台はオープン・重賞に移る。2月の東京新聞杯はマイルで9着、3月の大阪城ステークスは3着、5月の新潟大賞典は6着。いずれも北村友一を背に、上がりだけは鋭い脚を使う。33秒台、34秒台の末脚を繰り出しながら、しかし前をとらえ切れない。あと半馬身、あと一列が、どうしても足りなかった。 堅実だが、勝ち切れない。良血の名に見合うタイトルは、いくつもの重賞をくぐっても、まだ手のなかになかった。原石は、光る一歩手前で足踏みを続けていた。
阪神の内をすくって ― チャレンジカップ
2025年9月13日、阪神の芝2000m。チャレンジカップ。この日、手綱は北村友一ではなく、世界的名手ジョアン・モレイラに託された。2番人気。 モレイラは、気の入りやすいこの馬を発走前に落ち着かせることに心を砕いたという。返し馬のあとにうまくリラックスさせ、道中は中団の内でロスなく脚をためた。直線、いったんは前が狭くなる。だが残り200m、進路が開いた刹那にオールナットは弾けた。1分58秒0。1番人気グランヴィノスを1馬身抑え、ついに重賞のゴール板を、先頭で駆け抜けた。 黄いろのダイヤが、阪神の芝でようやく光を弾いた瞬間だった。北村友一が新馬から一段ずつ積み上げてきた足場の、その頂に旗を立てたのはモレイラの手綱である。けれど重賞初制覇という一勝は、この馬を原石から磨き上げてきた、すべての手の上にあった。
黄いろは消えない ― そして今
重賞馬になったオールナットだが、栄光の続きは平坦ではなかった。12月の鳴尾記念は、北村友一が手綱に戻って10着。明けて2026年、鞍上を西村淳也に替えて臨んだ日経新春杯は13着、夏の七夕賞は12番人気で15着。チャレンジカップの輝きから、白星は遠ざかっている。 それでも、この鹿毛はまだターフの上にいる。ステイゴールドの血を引き、女傑ショウナンパンドラを半姉に持つ黄金の牝系――その末に生まれた一頭として、オールナットはいまも走っている。101カラットの黄いろのダイヤがそうであるように、いちど深く刻まれた輝きは、そうたやすくは色褪せない。長い階段を登り切って掴んだあの一勝を胸に、次の一戦を待てばいい。
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