名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

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アドマイヤテラのイメージビジュアル
アドマイヤテラAdmire Terra
Admire Terra

アドマイヤテラ

通算成績14戦6勝

獲得賞金33,825万円

生年月日 2021.02.07(令和3年)毛色 芦毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
アドマイヤテラの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
3 GI天皇賞(春) 京都 芝3200 2人気 武豊 3:13.8 上り34.7映像
1 GII阪神大賞典 阪神 芝3000 1人気 武豊 3:02.0 上り34.1映像
11 GI有馬記念 中山 芝2500 9人気 川田将雅 2:32.4 上り36.1映像
GIジャパンカップ 東京 芝2400 10人気 川田将雅 映像
4 GII京都大賞典 京都 芝2400 1人気 川田将雅 2:24.2 上り34.8映像
1 GII目黒記念 東京 芝2500 1人気 武豊 2:32.9 上り34.5映像
1 OP大阪ーハンブルクカップ 阪神 芝2600 1人気 武豊 2:39.8 上り34.9
3 GI菊花賞 京都 芝3000 7人気 武豊 3:04.5 上り36.3映像
1 茶臼山高原特別 中京 芝2200 1人気 C.ルメール 2:12.4 上り34.3
2 阿寒湖特別 札幌 芝2600 1人気 C.ルメール 2:41.0 上り36.0
4 GII京都新聞杯 京都 芝2200 6人気 M.デムーロ 2:11.7 上り34.3映像
4 L若葉S 阪神 芝2000 3人気 岩田望来 2:00.0 上り34.4
1 3歳1勝クラス 京都 芝2000 1人気 川田将雅 2:02.8 上り34.4
1 2歳新馬 京都 芝2000 5人気 川田将雅 2:03.3 上り34.2

血統

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アドマイヤテラの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
レイデオロRey de OroキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファスManfath
ラドラーダシンボリクリスエスSymboli Kris S
レディブロンド
アドマイヤミヤビハーツクライHeart's CryサンデーサイレンスSunday Silence
アイリッシュダンス
レディスキッパークロフネKurofune
ライクザウインド
STORY

旅程 — この馬の物語

2021年生まれの芦毛の牡馬。父レイデオロ、母アドマイヤミヤビ。主な勝ち鞍は目黒記念・阪神大賞典。

地球という名 ― 芦毛の出発点

アドマイヤの冠名に、ラテン語で地球を意味する「テラ」。近藤旬子の勝負服を背負い、ノーザンファームに生まれた芦毛の牡馬は、大地の名を与えられてターフに立った。 父はダービーとジャパンカップを制したレイデオロ。母アドマイヤミヤビは、2017年のクイーンカップで後のNHKマイルカップ馬アエロリットを競り落とし、三連勝で重賞を制した牝馬だった。その牝系のいとこには、2020年のニュージーランドトロフィーを勝ったルフトシュトロームもいる。血の格に不足はなかった。 2023年11月19日、京都芝2000mの新馬戦。当初乗るはずだったライアン・ムーアが直前に落馬負傷し、代わりに手綱を取ったのは川田将雅だった。5番人気の評価をよそに、この芦毛は危なげなく勝ち上がる。地球の名を持つ馬の旅は、借り物の鞍上から静かに始まった。

鞍上定まらぬ三歳 ― 長い距離へ

年が明けても、テラの背は落ち着かなかった。3歳1勝クラス(京都・芝2000m)を川田将雅で危なげなく勝つと、若葉ステークスは岩田望来で4着、京都新聞杯はデムーロを背に6番人気の4着。クラシックの本流には乗れないまま、春が過ぎていった。 転機は北海道の夏にあった。ルメールを鞍上に迎え、阿寒湖特別(札幌・芝2600m)で2着、中京に戻っての茶臼山高原特別(芝2200m)を快勝。距離が延びるほど味が出る――この馬の資質が、輪郭を持ち始めていた。乗り替わりを重ねながら、テラは自分の走る場所を、ゆっくりと長い方へと寄せていった。

淀の三千で ― 武豊と出会う

2024年10月20日、菊花賞。京都芝3000m。7番人気のアドマイヤテラに初めてまたがったのは、武豊だった。 道中は後方で脚を溜め、二周目の向正面から徐々に押し上げていく。四コーナーでは一旦先頭をうかがう勢いを見せたが、直線でアーバンシックヘデントールにかわされて3着。勝ち切ることはできなかった。それでも、淀の長丁場で古馬顔負けの立ち回りを見せたこの一戦が、ステイヤーとしての素質を白日の下にさらした。 そして何より、この日結ばれた武豊との糸が、以後の物語を貫いていくことになる。

重賞のタイトル ― 初夏の目黒

四歳になったテラは、武豊とともに本格化する。2025年4月、阪神の大阪ーハンブルクカップ(オープン)を1番人気で完勝すると、6月1日の目黒記念(GII)へ。 中団から直線で鋭く抜け出し、食い下がるホーエリートをクビ差で抑えて、ついに重賞のタイトルを掴んだ。デビューから一年半、乗り替わりを重ねてたどり着いた初めての栄冠だった。武豊にとっては、これが39年連続となるJRA重賞制覇。切れる脚はないが、決して止まらない――長い距離をじわりと押し切るこの馬の身上を、レジェンドは的確に引き出していた。

秋の落とし穴 ― 中山まで

栄光の初夏から一転、秋は暗転した。京都大賞典は1番人気に推されながら4着。続くジャパンカップでは川田将雅が手綱を取ったが、スタート直後に躓いて川田が落馬、競走中止に終わる。無念の中断だった。 態勢を立て直して臨んだ暮れの有馬記念も、11着。中山の暮れは、テラにとって最も遠い場所になった。長距離で確かな地力を示してきた馬が、二千五百の急坂の前で足踏みする。だが、この停滞こそが、次の春を照らす影になっていく。

力強さが加わった ― 阪神大賞典のレコード

2026年3月22日、阪神大賞典。鞍上に武豊が戻ってきた。最内枠を活かして中団のインで折り合うと、直線は内から鋭く伸び、後続を3馬身突き放してゴールした。時計は3分02秒0のコースレコード。重賞2勝目を、非の打ちどころのない形で飾った。 武豊はこの勝利で、前人未到の40年連続JRA重賞制覇を達成する。「走りに力強さが加わった感じ」[^1]――鞍上の言葉が、一冬を越えた馬の充実を言い当てていた。秋の停滞は、こうして春のレコードへと姿を変えた。

出典:東京スポーツ「【阪神大賞典結果&コメント】武豊アドマイヤテラが3馬身差完勝「走りに力強さが加わった感じ」」2026年3月22日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/69670、閲覧日:2026年7月16日。

決め手の差 ― 春の盾に迫る

5月3日、天皇賞(春)。京都芝3200m、2番人気。武豊が幾度も制してきた、春の長距離GIである。 直線でじりじりと伸びたが、先に抜け出したクロワデュノールとの差は最後まで詰まらず、ゴール前ではヴェルテンベルクにもかわされて、ハナ+半馬身差の3着に敗れた。「決め手の差かな」[^1]と、武豊は静かに振り返った。盾には、あと一歩届かなかった。 それでも、菊花賞から天皇賞(春)まで、この馬が示してきた長距離での地力は本物だ。地球の名を負った馬は、いまも現役のステイヤーとして、淀と阪神の長い直線を走っている。武豊とともに紡いできた糸は、まだ切れてはいない。次に長丁場の頂を目指すその日を、静かに待てばいい。

出典:中日スポーツ「【天皇賞・春】直線勝ち馬に迫るが…ゴール前でもかわされ2番人気アドマイヤテラ3着 武豊騎手「決め手の差かな」」2026年5月3日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/1246469、閲覧日:2026年7月16日。

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