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アドマイヤマックス
通算成績23戦4勝
獲得賞金(海外含む・概算)約3億7,185万円
生年月日 1999.04.10(平成11年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11 | GI香港スプリント | 香港 芝1000 | 上村洋行 | 0:58.6 | — | 映像 | ||
| 6 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 6人気 | 武豊 | 1:32.5 | 上り33.9 | 映像 | |
| 3 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 3人気 | 武豊 | 1:07.6 | 上り33.4 | 映像 | |
| 12 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 4人気 | 武豊 | 1:33.0 | 上り34.9 | 映像 | |
| 4 | GII京王杯スプリングカップ | 東京 芝1400 | 4人気 | 武豊 | 1:21.1 | 上り34.6 | — | |
| 1 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 4人気 | 武豊 | 1:08.4 | 上り34.6 | 映像 | |
| 4 | GIII阪急杯 | 阪神 芝1200 | 2人気 | 福永祐一 | 1:08.6 | 上り33.8 | — | |
| 14 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 2人気 | 武豊 | 1:25.4 | 上り36.9 | — | |
| 5 | GIICBC賞 | 中京 芝1200 | 2人気 | 武幸四郎 | 1:08.4 | 上り34.1 | — | |
| 6 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 6人気 | 武幸四郎 | 1:33.7 | 上り34.9 | 映像 | |
| 1 | GIII富士S | 東京 芝1600 | 1人気 | 武豊 | 1:33.2 | 上り34.3 | — | |
| 4 | OPポートアイランドS | 阪神 芝1600 | 1人気 | 赤木高太郎 | 1:33.9 | 上り34.6 | — | |
| 4 | GI香港マイル | 香港 芝1600 | 福永祐一 | 1:34.6 | — | 映像 | ||
| 3 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 2人気 | 武豊 | 1:08.2 | 上り33.7 | 映像 | |
| 4 | GIIIセントウルS | 阪神 芝1200 | 3人気 | 福永祐一 | 1:08.2 | 上り33.9 | — | |
| 3 | GIII関屋記念 | 新潟 芝1600 | 1人気 | 後藤浩輝 | 1:32.0 | 上り34.4 | — | |
| 2 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 6人気 | 武豊 | 1:32.1 | 上り34.0 | 映像 | |
| 3 | GIII京阪杯 | 京都 芝1800 | 1人気 | 後藤浩輝 | 1:45.5 | 上り34.5 | — | |
| 11 | GI菊花賞 | 京都 芝3000 | 2人気 | 後藤浩輝 | 3:08.1 | 上り37.3 | 映像 | |
| 2 | GIIセントライト記念 | 新潟 芝2200 | 1人気 | 後藤浩輝 | 2:13.1 | 上り34.6 | — | |
| 3 | GIIIラジオたんぱ杯2歳S | 阪神 芝2000 | 1人気 | 福永祐一 | 2:03.5 | 上り34.7 | — | |
| 1 | GIII東京スポーツ杯2歳S | 東京 芝1800 | 2人気 | 福永祐一 | 1:48.2 | 上り35.4 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 京都 芝1600 | 3人気 | 福永祐一 | 1:36.1 | 上り35.0 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父サンデーサイレンスSunday Silence | Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | ||
| Wishing Well | Understanding | |
| Mountain Flower | ||
| 母ダイナシュート | ノーザンテーストNorthern Taste | Northern Dancer |
| Lady Victoria | ||
| シヤダイマイン | ヒッティングアウェーHitting Away | |
| ファンシミンFancimine |
旅程 — この馬の物語
1999年生まれの鹿毛の牡馬。父サンデーサイレンス、母ダイナシュート。主な勝ち鞍は高松宮記念・東京スポーツ杯2歳S・富士S。
母と同じ順番で
1999年4月10日、北海道早来町のノーザンファーム。ダイナシュートという牝馬が、鹿毛の牡を産んだ。父はサンデーサイレンス。その年のセレクトセールで取引され、近藤利一の馬として栗東の橋田満厩舎に入る。アドマイヤマックスと名づけられた。 母は社台レースホースの持ち馬で、美浦の矢野進厩舎にいた。1984年8月、新潟の新馬戦でデビュー。二週間後の新潟3歳ステークスで重賞を勝ち、続く京成杯3歳ステークスも勝って三連勝している。デビューから二戦目で重賞を手にした牝馬だった。 2001年10月13日、京都の芝1600メートル。福永祐一を背に、3番人気で新馬戦を勝ち上がる。次走が東京スポーツ杯2歳ステークスだった。1番人気はローエングリン、こちらは2番人気。後方から大外へ持ち出し、先行勢をまとめてかわして二馬身半をつけた。デビュー二戦目の重賞である。母と同じ順番で、母と同じところに立った。 陣営は、クラシックを狙える器だと見ていた。暮れのラジオたんぱ杯2歳ステークスでは単勝1.4倍に支持される。大外から追い込んだものの、メガスターダムに0.1秒だけ届かず三着。それでも翌春へ向かう二歳馬として、順番どおりの場所にいた。
同じ骨が、左右で
クラシックの季節を迎えたところで、右の橈骨の端が折れた。前脚の、肘の下にある骨である。皐月賞も東京優駿(日本ダービー)も、ゲートに入らないまま終わった。 母も、そこで一度躓いている。デビューした年のうちに重賞を二つ勝ちながら、明けてから体調を崩し、三月に前脚を折って、牝馬三冠のどれにも出られなかった。母と子は、失った春まで同じだった。 復帰は9月15日、新潟のセントライト記念。鞍上は後藤浩輝に替わっていた。1番人気に応えきれず、バランスオブゲームの二着。それでも菊花賞では2番人気に推される。京都の芝3000メートルを走った結果は、勝ったヒシミラクルから2.2秒差の十一着だった。上がり三ハロン——最後の600メートル——は37秒3。三千メートルは、あとから思えばこの馬の距離ではない。 続く京阪杯で三着。そのレースのあとで、今度は左の橈骨の端が折れていることが分かり、手術を受けた。同じ骨が、左右で一度ずつ折れたことになる。三歳の秋は、それで終わった。
二年十一か月
戻ってきたのは2003年6月8日、東京の安田記念だった。休み明けで6番人気。好位から直線の叩き合いを制し、いったん先頭に立つ。そこをアグネスデジタルに差された。クビ差。タイム差は0.0秒と記録されている。 夏の関屋記念は1番人気で三着。9月、阪神のセントウルステークスで初めて千二百メートルを使い、四着。10月のスプリンターズステークスはデュランダルの三着。暮れにはローエングリン、テレグノシスとともに香港へ渡り、香港マイルで四着に踏ん張った。 どれも、勝ち馬の背中は見えている。どれも、届いていない。 2004年は春を全休した。秋に戻って二戦目の富士ステークスを、武豊が乗って勝つ。東京スポーツ杯以来、二年十一か月ぶりの勝利だった。ただ、続くマイルチャンピオンシップは六着、暮れのCBC賞は五着。そのCBC賞を勝ったのはプレシャスカフェで、舞台は中京の芝1200メートルである。 年が明けた1月29日、生涯で一度だけ砂を走った。東京の根岸ステークス。2番人気に推されながら、メイショウボーラーから2秒4離された十四着。芝に戻した2月の阪急杯は、キーンランドスワンの四着だった。 ここまでにGIは五度走っている。掲示板に載ったのが三度、勝ったのは一度もない。六歳の春だった。
三月二十七日、中京
晴れ。芝は良。十八頭立ての、いちばん外の枠から出た。 ゲートが開くと、カルストンライトオが望みどおりに先頭を取る。二つ目のハロンが10秒3で刻まれた。千二百メートルの競走でこの数字が出るというのは、逃げている馬が息を入れられないでいるということである。事実、先頭は道中しきりに突かれつづけた。前で受けて立つ馬にとっては、苦しい流れである。 武豊は動かない。外を回れる位置に置いたまま、中団で三コーナーを通過する。押し上げたのは、四コーナーに入ってからだった。 内では、プレシャスカフェが馬群を縫って伸びてきている。三か月前、同じ中京の千二百でこの馬の前を走った相手である。 直線。半ばで、内のプレシャスカフェを捕まえた。そこからは一完歩ごとに差が開く。決勝線を過ぎたとき、二着との間は二馬身半あった。外から追ってきたのは、二月の阪急杯でこの馬に先着したキーンランドスワンである。 レース後、鞍上は「まさか勝つとは思わなかった」[^1]と言った。
出典:日本中央競馬会「第35回高松宮記念(GI)レース結果」2005年3月27日、https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/takamatsu/result/takamatsu2005.html、閲覧日:2026年8月2日。
四月十日
ウイナーズサークルには、開催中だった愛知万博からモリゾーとキッコロが来ていた。武豊にとって、この競走を勝つのは二度目である。十五年前、まだGIではなかった時代にバンブーメモリーで勝っていた。GIになってからは初めてだった。この日をもって、彼がまだ勝っていないJRAのGIは、マイルチャンピオンシップと朝日杯フューチュリティステークスの二つになる。橋田満にとっては、初めての高松宮記念だった。 血のほうを見ておきたい。母ダイナシュートは重賞を三つ勝った。その全姉ダイナマインも重賞を二つ勝っている。どちらもGIには届かないまま繁殖に上がった。母は2004年7月23日付で用途変更となり、その後の消息は分かっていない。息子が中京で勝ったのは、その八か月後である。 二週間後の4月10日、阪神。全姉マストビーラヴドの娘が桜花賞を勝った。ラインクラフトである。母マストビーラヴドは三戦して未勝利のまま繁殖に上がった牝馬で、のちにプロキオンステークスを勝つアドマイヤロイヤルもこの牝馬の仔だ。桜花賞のラインクラフトは、不利とされる十七番枠から好位を取り、直線で先頭に立ち、シーザリオをアタマ差で抑えた。鞍上は福永祐一。新馬戦と東京スポーツ杯でアドマイヤマックスに乗った男である。 4月10日は、アドマイヤマックスが早来町で生まれた日でもある。六年前のその日に生まれた馬が中京で自分の大レースを勝ち、二週間後、同じ日付に、姉の娘が阪神で桜花賞を勝った。ラインクラフトは五月のNHKマイルカップも勝ち、牡馬混合のGIまで持っていく。 叔父のほうの春は、そこから重かった。59キロを背負った京王杯スプリングカップで四着。安田記念は十二着に沈む。秋、中山のスプリンターズステークスで、香港のサイレントウィットネスの三着に食い込んだ。 11月20日、京都のマイルチャンピオンシップ。1枠2番にアドマイヤマックス、1枠1番にラインクラフト。叔父と姪が隣り合った馬番で同じゲートに入った。勝ったのはハットトリック。姪が三着で、叔父が六着だった。 12月11日、沙田。香港スプリント。2番人気に推され、上村洋行が乗った。1000メートルを走って十一着。それが最後の一戦になる。 年が明けた1月16日、苫小牧のノーザンホースパーク。同じ年に競走をやめたアドマイヤドン、アドマイヤグルーヴと三頭並んで引退式が行われた。三頭とも近藤利一の馬で、グルーヴとは厩舎も同じである。1月18日付で登録を抹消された。
牧場に残る
2006年の春、ビッグレッドファームで種牡馬になった。初年度は84頭に種付けしている。翌年9月にはブリーダーズスタリオンステーションへ移った。ステイゴールドと二年ごとに供用場所を入れ替える契約になっていたためである。 2009年6月20日、札幌の新馬戦をコスモソルスティスが勝ち、産駒の初勝利。2011年9月4日にはモンストールが新潟2歳ステークスを勝って、産駒に重賞がついた。父が一度だけ砂を走って敗れた根岸ステークスは、のちにメイショウマシュウが勝っている。 いちばん遠くまで行ったのは、2013年に新ひだか町の岡野牧場で生まれたケイティブレイブという栗毛だった。2017年の帝王賞を福永祐一で勝ち、翌年に川崎記念とJBCクラシックを勝つ。JBCクラシックは、同じ年に生まれたアドマイヤドンが2002年から三年続けて勝った競走である。父は芝の千二百で一度だけ頂に立ち、息子は砂の大レースを三つ積んだ。 姉の娘は、長くは走れなかった。2006年8月19日の早朝、放牧先のノーザンファーム空港牧場で調教中に急性心不全を起こし、四歳で死んでいる。十三戦して六勝、GIは二つだった。 アドマイヤマックスは2022年1月1日付で種牡馬の登録を離れ、功労馬としてビッグレッドファームに残った。2023年2月12日、同じ牧場で事故により死ぬ。二十四歳。事故の詳細は明かされていない。 勝つとは思っていなかった、と鞍上は言った。無理もない。前脚は左右とも一度ずつ折れ、勝ち鞍は二年十一か月増えず、GIは五度走って一度も勝てていなかった。まさか、という言葉は、この馬の六年間によく似合う。 ただ、遅いというのは、届かないという意味ではない。母も、伯母も、姉も届かなかったところへ、姉の娘より二週間だけ先に着いたのは、いちばん遅れて来たこの馬である。中京の千二百メートル、大外の十八番。二度折れた前脚で、その日いちばん先に、決勝線を過ぎた。
産駒 — 旅を継ぐ馬
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