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エーシンフォワード
通算成績31戦6勝
獲得賞金2億9,907万円
生年月日 2005.02.16(平成17年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4 | 兵庫ゴールドトロフィー | 園田 ダ1400 | 5人気 | 岩田康誠 | 1:27.8 | 上り36.6 | — | |
| 7 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 9人気 | 岩田康誠 | 1:21.2 | 上り35.2 | — | |
| 15 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 10人気 | 岩田康誠 | 1:35.2 | 上り35.7 | 映像 | |
| 6 | GII毎日放送賞スワンS | 京都 芝1400 | 9人気 | 岩田康誠 | 1:20.4 | 上り34.0 | — | |
| 12 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 10人気 | 岩田康誠 | 1:33.0 | 上り34.3 | 映像 | |
| 8 | GII京王杯スプリングカップ | 東京 芝1400 | 5人気 | 岩田康誠 | 1:20.7 | 上り33.9 | — | |
| 9 | GI高松宮記念 | 阪神 芝1200 | 6人気 | 岩田康誠 | 1:08.7 | 上り34.0 | 映像 | |
| 4 | GI香港マイル | 香港 芝1600 | 岩田康誠 | 1:35.0 | — | 映像 | ||
| 1 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 13人気 | 岩田康誠 | 1:31.8 | 上り34.3 | 映像 | |
| 8 | GII毎日放送賞スワンS | 京都 芝1400 | 1人気 | C.スミヨン | 1:21.6 | 上り34.3 | — | |
| 10 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 9人気 | 岩田康誠 | 1:32.6 | 上り36.3 | 映像 | |
| 4 | GII京王杯スプリングカップ | 東京 芝1400 | 1人気 | 岩田康誠 | 1:20.2 | 上り33.6 | — | |
| 3 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 3人気 | 岩田康誠 | 1:08.6 | 上り34.5 | 映像 | |
| 1 | GIII阪急杯 | 阪神 芝1400 | 2人気 | 岩田康誠 | 1:21.4 | 上り34.8 | — | |
| 3 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 6人気 | 柴田善臣 | 1:32.3 | 上り33.4 | — | |
| 2 | OPニューイヤーS | 中山 芝1600 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:33.0 | 上り35.2 | — | |
| 1 | OP2009ファイナルS | 阪神 芝1600 | 3人気 | 小牧太 | 1:33.3 | 上り34.0 | — | |
| 1 | 六甲アイランドS | 阪神 芝1400 | 3人気 | 池添謙一 | 1:21.6 | 上り35.3 | — | |
| 5 | 桂川S | 京都 芝1200 | 2人気 | 秋山真一郎 | 1:08.1 | 上り33.9 | — | |
| 3 | 道頓堀S | 阪神 芝1400 | 12人気 | 秋山真一郎 | 1:20.7 | 上り35.2 | — | |
| 15 | OPすばるS | 京都 ダ1400 | 7人気 | 吉田稔 | 1:26.4 | 上り38.7 | — | |
| 9 | OPジャニュアリーS | 中山 ダ1200 | 8人気 | 勝浦正樹 | 1:10.8 | 上り36.8 | — | |
| 12 | GIII京都金杯 | 京都 芝1600 | 12人気 | 秋山真一郎 | 1:33.8 | 上り35.4 | — | |
| 11 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 14人気 | 秋山真一郎 | 1:22.5 | 上り35.9 | — | |
| 15 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 18人気 | 和田竜二 | 2:28.5 | 上り35.8 | 映像 | |
| 10 | GINHKマイルカップ | 東京 芝1600 | 7人気 | 福永祐一 | 1:35.7 | 上り35.3 | 映像 | |
| 2 | GIIニュージーランドトロフィー | 中山 芝1600 | 5人気 | 和田竜二 | 1:35.1 | 上り35.8 | — | |
| 2 | GIIIアーリントンC | 阪神 芝1600 | 9人気 | 福永祐一 | 1:34.9 | 上り34.2 | — | |
| 9 | GI朝日杯フューチュリティステークス | 中山 芝1600 | 6人気 | 福永祐一 | 1:34.9 | 上り36.1 | 映像 | |
| 1 | 2歳500万下 | 京都 芝1400 | 2人気 | 福永祐一 | 1:23.0 | 上り34.5 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 京都 芝1400 | 1人気 | 福永祐一 | 1:23.6 | 上り35.0 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父Forest Wildcat | Storm Cat | Storm Bird |
| Terlingua | ||
| Victoria Beauty | Bold Native | |
| Abifaith | ||
| 母Wake Up Kiss | Cure the Blues | Stop the Music |
| Quick Cure | ||
| Good Morning Smile | Morning Bob | |
| Charming Smile |
旅程 — この馬の物語
2005年生まれの鹿毛の牡馬。父Forest Wildcat、母Wake Up Kiss。主な勝ち鞍はマイルチャンピオンS・阪急杯。
ニューヨークから来た二歳馬
2005年2月16日、アメリカ・ニューヨーク州。エディション・ファームで、一頭の鹿毛の牡馬が生まれた。父はストームキャットの産駒フォレストワイルドキャット、母ウェイクアップキスも同じニューヨークの生まれで、米国で10戦5勝。サラトガで行われるニューヨーク産馬限定の芝の牝馬戦、ヤドーハンデキャップを勝った牝馬である。 2007年3月、フロリダで開かれた2歳馬のトレーニングセールで、29万ドルの値をつけて彼を落札したのは日本の平井宏承だった。海を渡り、栗東・西園正都厩舎へ。冠名エーシンに「攻める」の意を重ねて、エーシンフォワードと名づけられる。前へ、という名である。 10月8日、京都の芝1400m。福永祐一を背に1番人気に応え、2番手から抜け出して新馬勝ち。続く2歳500万下も同じ形で押し切って連勝した。暮れの朝日杯フューチュリティステークスは6番人気の9着。揉まれる形になって、持ち味の速さを出すところまで行けなかった。それでもこの時点の彼は、二戦二勝の二歳馬だった。
二着、二着、そして二四〇〇メートル
3歳の春、素質は重賞で形になりかけた。3月のアーリントンカップは9番人気ながらダンツキッスイの2着、4月のニュージーランドトロフィーもサトノプログレスの2着。あと一歩が届かない競馬を二度続けて、世代のマイル王決定戦へ向かう。 5月のNHKマイルカップは福永で7番人気の10着。それでも次に選ばれた舞台は、東京優駿だった。芝2400m。1400mと1600mでしか勝ったことのない馬にとって、その距離は明らかに未知である。和田竜二を鞍上に18番人気、結果は15着だった。 血の適性は、たいてい残酷なほど正直だ。府中の二四〇〇は、彼がクラシックの馬ではなく、マイルとその内側で速さを競う馬であることを、はっきりと示していた。
二年 ― 条件戦からの出直し
そこから長い停滞が始まる。暮れの阪神カップは14番人気の11着。年が明けて京都金杯12着。芝で結果が出ないならと目先を変えたダートでも、ジャニュアリーステークス9着、すばるステークス15着。2009年2月、彼は勝ち星から遠ざかったまま放牧に出された。 秋に帰厩し、1600万下から出直す。10月の道頓堀ステークスは12番人気で3着。初めて使う芝1200mの桂川ステークスは5着。そして12月12日、阪神の芝1400m、六甲アイランドステークス。2着に2馬身の差をつけて、彼はようやくゴール板を先頭で通過した。2007年11月以来、二年ぶりの勝利である。 二週間後のファイナルステークスも直線で抜け出して連勝。1600万下から始め直した秋は、三か月足らずでオープン勝ちまで届いた。
岩田康誠、内を通る ― 阪急杯
2010年、5歳。ニューイヤーステークスは蛯名正義で2着、東京新聞杯は柴田善臣で3着。いずれもレッドスパーダの前には出られなかったが、オープンでも足りることは示した。 2月28日の阪急杯で、初めて岩田康誠が跨る。兵庫県姫路市に生まれ、園田で騎手としてデビューし、地方所属のまま2004年の菊花賞を勝って中央のクラシックを制し、2006年にJRAへ移った男である。岩田は内でロスなくコーナーを回り、直線では前を行く馬の間を割って抜け出した。2番人気に応えての重賞初制覇。狭いところを怯まず通るこの形が、二人の型になる。 続く高松宮記念は3番人気で3着。1200mのGIでキンシャサノキセキらと際どく渡り合い、評価は一段上がった。だがそこからが長い。1番人気に推された京王杯スプリングカップは4着、安田記念は逃げる形をとって10着、秋初戦のスワンステークスもまた1番人気で8着。人気を集めては応えられない季節が続いた。
一分三十一秒八 ― 十三番人気のレコード
その二か月半前、岩田は札幌で落馬していた。9月4日。左くるぶしと右鎖骨を折る重傷で、二か月の離脱。栗東で調教に跨り直したのが10月下旬、実戦への復帰は11月13日である。マイルチャンピオンシップは、彼にとって復帰二週目の週末だった。 エーシンフォワードは13番人気、単勝52.4倍。前走のスワンステークスで1番人気を裏切った直後の一戦である。1番人気はスミヨンのダノンヨーヨー、2番人気はルメールのサプレザ、3番人気はムーアのキンシャサノキセキ。各国の名手が上位人気の手綱を握っていた。 ジョーカプチーノが飛ばし、1000m通過は56秒7。前年より2秒も速い流れである。13番のゲートから好スタートを切ったエーシンフォワードは、行きたい馬を先に行かせ、先行集団のすぐ後ろ、7〜8番手の内に潜り込んだ。「気楽に乗れた」[^1]と岩田は振り返っている。人気薄の気楽さが、この日の冷静さを支えていた。 4コーナーを内で回り、直線でも外へ持ち出さない。逃げ粘るジョーカプチーノと最内を狙うスマイルジャック、その二頭の間から先頭に躍り出る。外を回して追い込んできたダノンヨーヨー、ゴールスキー、サプレザが三頭並んで襲いかかった。クビ差。凌ぎ切った。 1分31秒8。京都の芝1600mのコースレコードであり、マイルチャンピオンシップの最速記録でもあった。三連単47万3970円は、当時のこのレース史上最高配当である。落馬から二か月半で戻ってきた男は、これほど早くGIを勝てるとは思っていなかった、出来過ぎだと語った。
出典:JRA「第27回マイルチャンピオンシップ」レース結果・回顧(2010年11月21日)、https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/mile/result/mile2010.html 、閲覧日:2026年8月1日。
香港と、園田の砂
暮れの香港マイル。シャティンの芝1600mで4着。GI馬として国境を越え、世界のマイラーの中で走った。 だが2011年、勝ち星どころか掲示板さえ遠かった。高松宮記念9着、京王杯スプリングカップ8着、安田記念12着、スワンステークス6着。一年前にレコードを刻んだマイルチャンピオンシップに戻っても15着。暮れの阪神カップは7着。中央での六戦は、一度も上位に顔を出さないまま過ぎた。 最後の一戦は、中央ではなかった。12月28日、園田競馬場のダート1400m、兵庫ゴールドトロフィー。鞍上はやはり岩田康誠である。かつて岩田が騎手人生を始めた兵庫の砂の上を、ニューヨーク生まれのマイル王が走った。4着。二日後の12月30日、競走馬登録は抹消された。
ニューヨークへ帰る
2012年、北海道のレックススタッドで種牡馬生活が始まった。産駒からは、園田の兵庫サマークイーン賞を勝ったエイシンエールが出ている。同じ母から四年後に生まれた半弟レッドグルーヴァーもまた日本へ渡り、平地と障害で計4勝を挙げた。エディション・ファームの血は、思いのほか深く日本に入り込んでいた。 そして2018年2月、彼は生まれた州へ戻る。ニューヨーク州ハドソン近郊のロックリッジスタッド。生産者ヴィヴィアン・マロイのエディション・ファームが所有する種牡馬として、故郷で種付けを始めた。マロイは彼を「エディションが生産したなかで最高の馬」[^1]と呼んでいる。この時点で彼は、ニューヨーク産馬の歴代獲得賞金においてケンタッキーダービー馬ファニーサイドに次ぐ二位だった。 2023年に種牡馬を退き、ニューヨーク州グリーンフィールドセンターの引退馬牧場、オールドフレンズ・アット・キャビンクリークに迎えられた。母ウェイクアップキスがヤドーハンデキャップを勝ったサラトガの、すぐ近くである。 29万ドルで海を渡り、二年勝てない時期を越え、13番人気でレコードを出した。「前へ」という名の馬の旅は、大きな円を描いて、生まれた場所のそばに帰り着いた。
出典:BloodHorse「A Shin Forward to Stand in New York」2018年配信、https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/225738/a-shin-forward-to-stand-in-new-york 、閲覧日:2026年8月1日。
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