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エイシンディード
通算成績6戦2勝
獲得賞金5,521万円
生年月日 2023.05.08(令和5年)毛色 黒鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6 | GIII葵S | 京都 芝1200 | 2人気 | 川又賢治 | 1:08.0 | 上り34.1 | 映像 | |
| 2 | GIII中スポ賞ファルコンS | 中京 芝1400 | 8人気 | 川又賢治 | 1:20.0 | 上り34.1 | 映像 | |
| 4 | GIIデイリー杯2歳S | 京都 芝1600 | 6人気 | 高杉吏麒 | 1:34.2 | 上り35.6 | 映像 | |
| 1 | GIII函館2歳S | 函館 芝1200 | 9人気 | R.キング | 1:08.4 | 上り34.1 | 映像 | |
| 1 | JRA認定競走アタッ | 門別 ダ1000 | 5人気 | 落合玄太 | 1:02.3 | 上り37.9 | — | |
| 2 | JRA認定競走フレッ | 門別 ダ1000 | 2人気 | 黒澤愛斗 | 1:03.7 | 上り39.8 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ファインニードルFine Needle | アドマイヤムーンAdmire Moon | エンドスウィープEnd Sweep |
| マイケイティーズ | ||
| ニードルクラフトNeedlecraft | Mark of Esteem | |
| Sharp Point | ||
| 母エーシンエムディー | キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo |
| マンファスManfath | ||
| エイシンルーデンス | サンデーサイレンスSunday Silence | |
| エイシングレシャス |
旅程 — この馬の物語
2023年生まれの黒鹿毛の牡馬。父ファインニードル、母エーシンエムディー。主な勝ち鞍は函館2歳S。
針の一族と、証書という名
父の名は「細針」と書く。 ファインニードルは2018年の春秋スプリントGIを連覇した(高松宮記念・スプリンターズS)。JRA賞最優秀短距離馬に選ばれた純粋な鋭さを持つ血を引いて、2023年5月8日に黒鹿毛の牡馬が生まれた。 名に冠された「エイシン」は平井豊光オーナーの冠名。そこに添えられた「ディード」は英語で証書、あるいは行為・功績を指す。A Shin Deed――エイシンの証。まだ何も証明していない黒鹿毛が、いつかその名に恥じぬ走りを見せる日のために、名前だけが先に用意された。 母エーシンエムディーの父はキングカメハメハ。そして母の母エイシンルーデンスはサンデーサイレンスの娘で、チューリップ賞と中山牝馬Sを制したGIII馬だった。父からは切れる短距離の鋭さを、牝系には逃げて粘る勝負師の血を。その交点に生まれた一頭が、栗東・大久保龍志厩舎に入厩した。
門別の土から、函館の芝へ ― キング姐さんとの出会い
最初の一歩はダートだった。 2025年5月29日、北海道・門別競馬場のダート1000m。2番人気で2着。続く6月18日の同じ舞台では5番人気を覆して初勝利を挙げ、それを足掛かりに中央への扉を叩いた。転入先は栗東・大久保厩舎。JRA初出走は同年7月20日、函館競馬場の2歳重賞「函館2歳ステークス」(GIII・芝1200m)に決まった。初めて踏む芝、9番人気という下馬評。主役と見る声は多くなかった。 騎手の席に収まったのは、レイチェル・キングだった。オーストラリアを主戦場とし、JRA短期免許で来日するたびに歴史を更新してきた「キング姐さん」。この2025年7月の来日は初週から始まったばかりだった。 ゲートが開くと、エイシンディードは踏み込みよくスタートを切った。そのままハナへ。キングはフレキシブルな考えで、2歳馬の気ままさに合わせながら逃げを打った。「道中はゆったりと息を入れることができた。残り600mからうまくギアチェンジができました」[^1]。後続の追い上げを2馬身振り切ってゴール板を通過したとき、1分8秒4の時計が刻まれた。1番人気ブラックチャリスを完封した逃げ切り。9番人気の伏兵が、2歳世代の一番槍を射止めた瞬間だった。 大久保師は言った。「キング姐さんがうまかったです」[^2]。
出典:東京スポーツ 2025年7月20日配信、閲覧日:2026年6月25日。/日刊スポーツ 2025年7月20日配信、閲覧日:2026年6月25日。
距離の問い ― デイリー杯からファルコンへ
函館2歳Sの翌秋、エイシンディードは1600mという新しい問いに挑んだ。 11月15日、デイリー杯2歳S(GII・京都芝1600m)。鞍上は高杉吏麒。道中からかかり気味にハナを切ったが、直線ではやや左にモタれ4着に終わった。高杉騎手は「道中は力んでいたので、もう少し短い距離の方がいいと思います」と述べた。父ファインニードルの設計図通り、1200mに軸足を置いた馬の本音が出たかたちだった。 年が明けた2026年3月21日、ファルコンS(GIII・中京芝1400m)。8番人気での参戦だったが、川又賢治騎手とともに先行策から末脚を伸ばし2着に食い込んだ。「やりたい競馬はできました」と川又は振り返る。1200mよりわずかに長い1400mをこなし、距離適性の問いに一つの答えを示した。5月30日の葵S(GIII・京都芝1200m)では2番人気に推されたが6着。直線で左にモタれる癖が顔を出した。右回りが向くのかもしれない。この馬はまだ、自分の舞台を探している途中だ。
証書の続きへ
6戦2勝。そのうちの1勝が重賞、しかも来日初週のキング姐さんが手綱を取った9番人気の一戦だった。 エイシンディードの物語は、まだ完成していない。祖母エイシンルーデンスが逃げてチューリップ賞を制したように、この馬もハナを奪って後続を封じることを知っている。父ファインニードルの短距離センスと、牝系に流れる粘りが合わさるとき、どんな走りが生まれるか。 函館の空の下で刻んだ1分8秒4は、A Shin Deed という名が初めて証書に変わった瞬間だった。その続きを、黒鹿毛はまだ書いていない。
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